法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

歴史

反原発デモで日の丸をかかげるための理屈

星条旗の表象する人権とは何か、[twitter:@hokusyu82]氏の下記ツイートに首をかしげた。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createEl…

『明治開化 安吾捕物帖』が『UN-GO』というタイトルでアニメ化

フジテレビ系列の深夜アニメ枠「ノイタミナ」で古典小説のアニメ化といえば、『怪 〜ayakashi〜』や『源氏物語千年紀 Genji』といった先例がすでにある。とはいえ、意外なスタッフによる意外なアニメ化と感じる。 坂口安吾:「安吾捕物帖」がアニメ化 「ノイ…

『タイムスクープハンター シーズン3』CODE:486027 維新ロマンス英語塾

明治日本の「近代化」とは「西欧化」のことであったというナレーションが地味にいい。 物語の基本は外国人と日本人の許されざる恋といったところだが、古典的な甘酸っぱいラブコメを真面目なフェイクドキュメンタリーとして提示しているため、身悶えしながら…

韓国の誇らしげな歴史は「捏造」ということにしないと気がすまない2ちゃんねる

http://hamusoku.com/archives/5183889.html 1:名無しさん@涙目です。(埼玉県):2011/07/01(金) 15:55:10.70id:cl8mdn0j0 【米国】 〜カリフォルニア州の小・中・高教科書、「韓国史」大幅補強韓国の歴史が大幅に拡大され反映されたカリフォルニアの小・中…

『提督の戦艦』

白軍総司令官アレクサンドル・コルチャーク提督の後半生を描く、2008年のロシア映画。第一次世界大戦からロシア革命後の内戦まで、駆け抜けた愛と戦いの日々が物語られる。 GYAOで無料配信しており、高評価が多いようなので期待して視聴していたが、悪い意味…

産経新聞やめてよ!南北朝時代が息してない!!

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110608/imp11060803180001-n1.htm 天皇陛下は初代の神武天皇から数えて第125代の天皇である。それでは区切りとなる50代目の天皇はといえば、西暦794年に平安遷都を行った桓武(かんむ)天皇だ。さらに第100代…

中村光毅美術監督が亡くなられた

近年まで美術会社デザインオフィス・メカマンで仕事をしており、意外に思った。 http://www.asahi.com/obituaries/update/0517/NGY201105170017.html 中村光毅さん(なかむら・みつき=アニメーション美術監督)が16日、口腔(こうくう)がんで死去、67…

旧皇族の竹田恒泰氏はもしかして……

window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.paren…

尊王主義者には不都合な現実の天皇家

現在の天皇が戦後民主主義の薫陶を受けた人物だとか、小和田雅子氏が2ちゃんねるの既婚女性板で云々*1という現在に繋がる、歴史の話。 現在の天皇家は北朝から続いている。事実上、南朝は絶えたと考えていい。しかし南朝正統論は戦前から始まり、現代にも根…

『フジテレビ夢スペシャル タモリ×SMAP僕らは未来を信じよう! 〜宇宙への挑戦と奇跡の物語〜』

人類が宇宙へ挑戦した歴史を語る、3時間半ほどの特別番組。松本零士監修による人工衛星はやぶさのドキュメンタリーアニメに注目していたが、まんべんなく宇宙開発の過去から現在までふまえつつ豆知識もちりばめられ、意外と楽しめる作りだった。 人類初の月…

東映・動画・手塚・労働・運動・りんたろう

「WEBアニメスタイル」で有名なスタジオ雄が編集し、2009年12月にキネマ旬報社から出版された『PLUS MADHOUSE 4 りんたろう』という書籍がある。アニメ制作会社マッドハウスに関係する監督をとりあげたシリーズの一冊で、さほど頁数は多くないが、代表作の絵…

芥川賞作家の天罰論と、芥川龍之介の反天罰論と

東日本大震災の発生当初、シーシェパードの賛同者らがtwitterで「天罰」や「業」であるかのようにツイートしていたという。下記Togetterにまとめられている。 シーシェパードの支持者他の「地震ざまぁみろ」発言と、岩手県大槌町を訪れていた活動家の安否を…

折り紙を折っていた

半分は時間つぶしのためで、千羽鶴とは全く無関係だったが。 しかし今回の災害でも千羽鶴を折って送ることを批判しようとするあまり、千羽鶴を折って祈る善意や、千羽鶴という風習そのものまで否定する意見が散見された。ハイチ大地震における騒動を思い出さ…

君は「野蛮」か「善良な市民」か

関東大震災を経験した芥川龍之介が、下記のように菊池寛とやりとりした文章を残している。 芥川龍之介 大正十二年九月一日の大震に際して*1 僕は善良なる市民である。しかし僕の所見によれば、菊池寛はこの資格に乏しい。 戒厳令の布かれた後、僕は巻煙草を…

『まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史』みなもと太郎/大塚英志共著

みなもと太郎の視点による日本マンガ史を聞き取っていく。大塚英志による雑誌『comic 新現実』で連載されていた企画をまとめ直したもの*1。 マンガ家志望の落語家からゆずりうけた戦前のマンガ関係資料を読み込み、貸本マンガの読者として育ち、同人グループ…

日本は「重武装」のコスタリカに学ぶべき

初音ミクがコスタリカで人気が上がっている理由について、クリプトン社の伊藤博之代表取締役が現地の声をツイートしていた。 中米コスタリカで、「初音ミク」の人気が上がっている理由 - Togetter window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.get…

『坂の上の雲』第9回 広瀬、死す

戦端が開き、サブタイトル通りに広瀬が戦死したところで第2部完。 物語の視点が日本とロシアだけにしぼられ、旅順港をめぐる海戦が物語の中心となり、第三者的な視点を導入しない古典的な戦争映画を見ている気分になった。日本の市井が開戦にわきたっている…

『坂の上の雲』第8回 日露開戦

開戦を前にして高まっていく緊張感は悪くなかった。特にロシア皇帝ニコライ二世が開戦をためらい譲歩する姿勢を見せながら*1、現場の思惑で情報伝達にすれ違いが起こる。秋山兄弟が書きつけた内容を隠す場面とともに、このディスコミュニケーション描写は戦…

『坂の上の雲』第7回 子規、逝く

今回はサブタイトルにもなっているだけあって、正岡子規のあっけない死を念入りに描く。序盤では年齢的に違和感ありすぎた香川照之も、病床の子規を演じるにはちょうどいい。 子規の死を基点に、日本が戦争へ向かっていく構成も悪くない。庶民が戦争を求め、…

『GOEMON』

日曜洋画劇場の短縮版を視聴。真面目な話、映画『梟の城』よりよほど良かった。 少なくとも『CASSHERN』と比べて、できることと見せたいことと見せるべきことの判断が的確となっていて、和風ファンタジー戦国映画として楽しめる内容になっている。 …

『坂の上の雲』第6回 日英同盟

第2部開始。今回は、日露同盟計画が破綻していくまでがドラマの主軸。老人や青年がそれぞれ味わった断絶を描き、日露交渉の代わりの日英同盟が必然であること、後の日露戦争を回避することが困難であったことを間接的に示す。 老いて政治の一線から遠ざかり…

『マイケル・コリンズ』

20世紀初頭、アイルランド独立闘争と条約締結後の内戦を駆け抜けたマイケル・コリンズを主人公とした劇映画。監督はニール・ジョーダン*1で1996年に公開され、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受けた。 史実の複雑な人物関係を整理し、主人公の魅力を描き…

『百花繚乱 サムライガールズ』第壱話 はじめての忠

「ホビージャパン40周記念作品」である『百花繚乱』をTVアニメ化したもの。 冒頭で、主人公達の生きる地域「大日本」を「美しい国」と呼び、その美しさを羨み欲した列強諸国が「悪鬼羅刹の侵略兵器群」でおかそうとしていると語られる。 周辺各国から侵略さ…

「達韓」は「嫌韓」の延長にあるのかないのか

下記のobiekt_JP氏はid:JSF氏のこと。 @obiekt_JP氏「私は韓国の達人だ」とのツイートが差別侮辱以前に不適当と批判される。 - Togetter*1 私は既に達韓。RT @kyokusen: @kuratan 嫌韓〜楽観〜呆韓〜達韓 のクラスチェンジ流れでしたっけか? obiekt_JP 2010…

オーラルヒストリーを物語に定着するということ

映画『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督が「WEBアニメスタイル」のコラムで、かつて長編戦争アニメ映画『うしろの正面だあれ』*1の制作にたずさわった時の、興味深い葛藤を書いていた。 WEBアニメスタイル | β運動の岸辺で[片渕須直]第48回 見た…

あまり利用することはなかったが

ちょっと新聞を読んでいて気になったのでメモしておく。インターネット上で公開されている史料として便利なのだが、専門家でも引用している例が見当たらないのはこういう事情があったからだろうか。 http://mainichi.jp/kansai/news/20100906ddf041040016000…

「アニオタ保守本流」からチャンネル桜に出演したという話

順調に「保守」の論客として出演の場を広げているようで、何より。しかしチャンネル桜は「保守本流」ではなく、傍流や異端もいいところだと思うのだが。 チャンネル桜に出演しました!【古谷経衡】日韓のこれから NHKのこれから[桜H22/8/25] - アニオタ保…

川本喜八郎監督と岡本忠成監督の作画アニメ

川本喜八郎監督が亡くなっていたという。高齢だったので大往生だろうと感じるが、最近まで『冬の日』や『死者の書』*1といった新作を精力的に発表していたので、もちろん惜しい気持ちは残る。最新のWEBニュースでは産経記事がくわしいようだ。 http://sankei…

『日本の、これから ともに語ろう日韓の未来』について少し

8月14日にNHK総合で放映された討論番組だが、まさか「アニオタ保守本流」で有名なaniotahosyu氏が出演しているとは。 aniotahosyu氏が主張した内容はさておき、編集でカットされた部分について報告しており、これがけっこう興味深い内容になっている。 NHK総…

朝鮮学校の公園使用を現段階で違法と主張するのは、マッチポンプ嫌韓流

明らかな暴力的行動を続けて数年、ようやく在特会幹部が逮捕された。警察の恣意性には疑問を持つし、日本社会の在日朝鮮人に対する抑圧が全て解決するにはほど遠いが、ひとまずは歓迎できる流れと受け止めたい。 しかし、在特会は批判の方法論がまずかっただ…