すでに指摘されているように、先輩女性のリームとともにタイムパトロールをおこなう作品前半のエピソードの大半が予告映像にうつっている。
それらのカットがOPなどのイメージ映像でないかぎり、改変はあるとしても順当にほとんどアニメ化されるのだろう。
沖縄戦の特攻兵を救おうとする「戦場の美少女」にあたるカットは予告の1分6秒ごろから、他のエピソードのカットをはさみながら多めに流れる。そこにかぶさる台詞が「戦場の美少女」の一場面なので、少なくとも予告においては作品を象徴するエピソードとして選ばれたわけだ。
特攻を「散華」と表現する歴史教科書が検定に合格*1した現在だからこそ、時代に抵抗する意義のある作品になることを期待したい。
兵器類は3DCGで描写されているが、参加しているアニメーターのツイートによるとメカやエフェクトはほぼ3Dをつかう方針らしい。他に「妖狐、那須高原に死す」の一場面と思われる騎馬武者の群れも3DCGでカメラワークをつけている。
大好きな原作だったので少しですけど参加してます。
— 桝田浩史 (@DkruaPUOPy88675) 2024年4月16日
作業したのはすずめの戸締まり直後だから1年位前かな。
今回は事前にメカエフェクトはほぼ3Dと聞いておりましたので何の懸念もなく観られる、はず😅 https://t.co/OHHDWhp5Ya
ただ今さらながら気になるのが、「戦場の美少女」は時間移動した過去と現在の出来事がつながることにドラマとしての意味がある。それを初出から40年以上たってからそのまま映像化することは難しいだろう。
たとえば『ドラえもん』の「ぞうとおじさん」を2017年にTVアニメ化した時も、戦時中の子供時代をおぼえている老人と少年の主人公が会話する状況設定はぎりぎりで成立していた*2。そこからさらに時間がたった今、戦時中の青年時代をおぼえている老人と主人公をからめる物語にするには、かなりの工夫が必要になりそうだが……それとも、主人公の生きている時代は原作と同じ40年前に設定するのだろうか。