ニコガーデンで仕事にはげむメエメエのところに犬飼いろはたちがやってきて、猫屋敷まゆを紹介する。秘密を明かしてはならないと泣いて注意するメエメエだが、いそがしいメエメエのためにまゆがてつだうと提案して、ニコガーデンでキラリンアニマルの様子を見ていくことに……
千葉美鈴脚本に高橋裕哉コンテで、これまでのエピソードでガルガル化から救ってきたキラリンアニマルたちと、プリキュアたちとの再会のドラマをコメディタッチで描く。
シリーズにおいて集められる妖精は販促のノルマとして消化されがちで、せいぜい単発エピソードのゲストでピックアップされる妖精がいたくらいだが、実在の動物を思わせる今作の妖精はキャラクターがわかりやすくドラマをきちんと構成できている。
そこでプリキュアとキラリンアニマルのむすびつきをストレートには描かず、プリキュアの身勝手に苦労させられている執事キャラクターの視点で描いたところもアイデアだ。異世界にはじめてきたまゆの存在もメエメエの気苦労の一要素として処理され、あくまでメエメエのドラマとして物語がすすんでいく。あからさまに何かを準備しているキラリンアニマルの描写からメエメエがサプライズパーティーに気づくことで、幼い視聴者はメエメエ視点で結末のどんでん返しに素直に驚けるだろうし、大人の視聴者はメエメエの空回りに気づいて痛々しいギャグとなる。
メエメエが周囲よりは大人であるため、むくわれなくても理不尽すぎない。そんなメエメエの縁の下の働きぶりを、やはり周囲では最も成熟している兎山悟が最初に認める結末もいい。このアニメの主役はあくまで子供たちだが、背後でささえる大人にも存在意義があるのだと示せた。
作画は全体的な統一感は少ないが、全体をとおしてキャラクターがかわいらしく、狭い路地など珍しい状況のアクションも悪くない。メエメエの喜怒哀楽にあわせてデフォルメした作画演出も楽しいものだった。
自由に絵柄を変えて、さまざまな手法をためしている高橋裕哉コンテの良さが出ている。マスコットのような擬人化動物ばかり登場する、普段より低年齢向けのアニメに感じさせる今回のエピソードにも作風があっている。