法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

歴史

反人種差別者がピラミッド破壊を要求しているというデマで、ひさしぶりに「痛いニュース(ノ∀`)」が注目されているのを見かけた

「反人種差別活動家」が「ピラミッドは奴隷を働かせて造った建築物だから破壊しろ」と要求しているというスレッドを転載して、はてなブックマークで173usersをあつめている。 [B! イギリス] 痛いニュース(ノ∀`) : 【英国】 反人種差別活動家「ピラミッドは奴…

シアトル自治区ではじめられた農業は、英植民地のインドでおこなわれた塩の行進を参照すればわかりやすい

抗議運動のさなかに警官がすべて撤退し、残された抗議者が自認することとなったシアトル自治区。 その一角で小さな小さな農園が作られているという。さまざまな背景と意図がこめられた象徴的な活動だ。 cornicen69氏のツイートを読むと*1、農業を主導してい…

『風と共に去りぬ』の作者の黒人観は当時ならセーフ?やはりアウトでは?

ずっとくすぶっていた『風と共に去りぬ』の黒人描写が、反黒人差別運動のもりあがりを受けて、映画の配信一時停止にいたった。 過去の作品を現代の価値観で位置づけることを否定するなら、『風と共に去りぬ』という映画そのものが否定されるのでは - 法華狼…

『キングダム』

いくつもの国にわかれて勢力をあらそっている春秋戦国時代の中国大陸。奴隷として生きている孤児の信と漂は、将軍になる夢をもって剣技を独学でみがいていた。 たまたま通りがかった大臣によって漂だけが王宮にめしかかえられ、信はひとり奴隷としての生活を…

セーラームーンを自分の絵柄で描くブームに、東南アジアのイラストレイターが参加して、どうして欧米の偏見という話題になったのだろうか

数日前から「#sailormoonredraw」というハッシュタグで、『美少女戦士セーラームーン』の1カットを再構築する遊びがもりあがっている。 セーラームーンを自分の絵柄で描く「sailormoonredraw」チャレンジ 漫画家やイラストレーターの美麗なイラストが集まる …

『ズッコケ三人組 ズッコケ時空冒険』

花山第二小学校に、主産中の代理として若い女性教師がやってくる。壁新聞の取材で女性教師を追いかけた主人公トリオは、ふしぎな鏡にとりこまれ、江戸時代にタイムスリップしてしまった…… 人気児童小説シリーズを1988年に約1時間で中編OVA化。特殊な流通形態…

「日本には本当に約2700年の歴史がありうるのでは?という天啓がふってきた」

「じゃあなんで1000年以上も記録が残ってなくて、最初の記録は外国にあるんだよ?」 「古事記や日本書紀の記述よりも不都合な、隠すべき真実が皇統にあったから、かな……」 細菌戦「731部隊」の新資料発見 「ないはず」の戦後公文書 細菌生産を明記|社会|地…

麻生太郎氏、同レベルの事実誤認をくりかえし公言することで、成人式での自説を自ら反証する

麻生太郎氏「日本は2千年、一つの民族」政府方針と矛盾:朝日新聞デジタル 13日の国政報告会の中で、昨年のラグビーワールドカップ(W杯)の日本代表チームの活躍に触れ、「いろんな国が交じって結果的にワンチームで日本がまとまった」などと指摘。その…

煙を描くのも政治的

政治的なメッセージのある作品は芸術ではなくなるかのような主張が、特に大日本帝国を風刺するような作品に対して叫ばれている。 「表現の不自由展・その後」に言及した貞本義行氏は、いくつもの大切なことが見えていない - 法華狼の日記 しかしそれとは特に…

そういえば珍しく巻末に参考文献を載せていない「歴史の本」があって、それでウソがばれた出来事があったね

『日本国紀』に出典が明記されていないという批判に対して、百田尚樹氏が釈明したことが最近あった。 百田尚樹氏はどのような「歴史の本」を読んで『永遠の0』を書いたのだろうか - 法華狼の日記 「参考文献を載せなかったと言われますね。でも日本の歴史の…

対魔忍ガンディー

非常に興味深い博論の紹介を見かけた。マハトマ・ガンディーの思想の変遷を性的に求めた、とても真面目な博士論文らしい。 これTLで話題になってないが、書店で見て絶句。こんな興奮は久々だ。乱暴に言えば、インド独立の英雄ガンディーの非暴力・ナショナリ…

『浮世絵師の遊戯 新説 東洲斎写楽』高井忍著

海外で絶賛されるほどの存在でありながら、いまだ正体がはっきりしないとされる浮世絵師、東洲斎写楽。 その正体をめぐる珍説奇説をさまざまな手法で物語化していく連作短編。商業作家なのに、なぜか文芸社から2016年に出版された。 浮世絵師の遊戯 新説 東…

『ETV特集』キャメラマンMIYAGAWAの奇跡

溝口健二や黒澤明、小津安二郎といった巨匠の作品で撮影をつとめた宮川一夫の技術をほりさげる。 NHKドキュメンタリー - ETV特集「キャメラマンMIYAGAWAの奇跡」 12月8日に本放送された番組を、再放送で視聴。あまり古い映画を観ない自分でも知っ…

国際クジラ学会の集合写真にまぎれていたひとりの黒人女性の物語

絵本の資料としてとりよせた写真に注目した画家が、ツイッターで情報をつのり、ついに本人にたどりついたという。 47年前の集合写真にたったひとり名前のない女性。「誰?」Twitterで呼びかけると… | ハフポスト この写真のある点に、アンデルセンさんは注目…

『英雄挽歌・孔子傳』

弟子の子貢と曽参が、亡くなった孔子の逸話を語りつづける。波乱に満ちた生涯を、しずかに悼むように…… 儒教の祖となった孔子の半生を、出崎統監督が1時間半の長編アニメとして映像化し、1995年にNHK総合で放映された。 TV アニメ 孔子傳 - allcinema DVD化…

『提督の艦隊』

17世紀のオランダは、国内では共和派とオラニエ公派に二分され、国外では大国によって貿易を妨害されていた。 ややオラニエ公よりだった軍人ロイテルは、トロンプ前提督が戦死したことで、共和派の首相から提督に任じられる。 首相とその兄から協力をとりつ…

「日本のこころ」の江戸時代、元文科相の歴史観

「日本のこころ」から「希望の党」に初期から鞍替えした中山成彬氏。 元文部科学大臣でありながら、その歴史観は愛国を超えて珍妙の域に達している。 それも、政策や外交において争点とされがちな近現代史だけではない。 まず、中山氏は希望の党において、入…

軍艦島にかぎらず、さまざまな意味で「遺産」には負の側面がある

軍艦島をはじめとして、「産業遺産」として記憶されつつある炭鉱。 その遺産の負の側面が指摘されることへの反証として、美しく楽しい記憶の証言がもちだされることが少なからずある。 炭鉱に朝鮮人差別がなかったという産経記事が、方城炭鉱の事務員の証言…

1945年までに「国体」への忠誠を叩きこまれた日本国民に、江戸時代を記憶していた老人はいなかったのだろうかという疑問

終戦記念日にまつわるドキュメンタリーやドラマを見つづけていて、ふと疑問に思った。 戦前から戦中にかけて、おおかたの日本国民は天皇制を絶対視して、天皇を現人神として崇拝していたことになっている。 しかし植民地出身の「国民」はさておいても、幼い…

『大江山酒天童子』

源頼光と部下による鬼退治の伝説には、知られざる裏の歴史があった。 平安時代の末期、藤原道長が専横をふるっていた。たびたび都は盗賊に襲われ、鬼妖怪が跋扈する。 そこで大江山に潜入した坂田金時たちが見たのは、妖術をもちいて政権の転覆をねらう酒天…

『世界まる見え!テレビ特捜部』ブッたまげ大発見 2時間スペシャル

「謎の巨大生物ホグジラ」は、米国ノースカロライナ州を恐怖におとしいれたイノブタとの戦いを見せる。自動車に近いサイズの動物が街の近くで動いている映像は、なかなかにインパクトがあった。ただ、どうやらホグジラは2005年にもとりあげたことがあるらし…

『タイムボカン24』はシリーズ構成の脚本が最もダメな気がする。

第8話はハチ公を題材とした第6話と同じく金杉弘子脚本。いつものようにダジャレでしかない「真歴史」を展開するだけかに見せて、シートンのいたニューヨークでドーナツが警官に消費されていたという真面目な豆知識を展開。さらに第5話のような競争劇へと移行…

1942年の大日本帝国の「撃滅戦の火蓋は切って落とされた」

国立国会図書館デジタルコレクションで、大倉要『戦争と国際問題』という書籍が公開されている。 戦争と国際問題 - 国立国会図書館デジタルコレクション 「序」によれば、戦時に国民の常識となるよう昨今の重要課題を解説したものだという。 当時の視点にお…

『タイムボカン24』第1話 クレオパトラはクレ夫とパトラという漫才コンビだった!

トキオという少年の前に、カブトムシ型の巨大ロボットが落ちてきた。操縦していたカレンという少女は、悪の組織アクダーマに追われている。 アクダーマの攻撃をさけるためにカレンはトキオをロボットに乗せて、未来世界へと帰還するが…… 『ヤッターマン』に…

『忍者狩り』

将軍家光は幕藩体制を確立するため、口実をつくっては外様大名をとりつぶしていた。伊予松山の蒲生家も、後継ぎ相続における弱体化がねらわれる。 後継ぎを保証する「お墨付き」があるかぎり幕府は建前として蒲生家を守らなければならない。しかし相続の儀式…

『宇宙戦艦ヤマト』キャラクターデザイナー岡迫亘弘氏による、アニメーターの給金にまつわる証言

起源から現代まで、さまざまな日本の特撮作品の新情報をほりおこす『特撮秘宝』。 ジャンルを越境したスタッフの証言からは、特撮中心でない作品の情報も出てくる。今回に読んだvol.3も、興味深い証言が多々あった。 別冊映画秘宝特撮秘宝vol.3 (洋泉社MOOK …

「さすがです天皇様」

何かするたびに忖度されて賞賛される姿に幻聴が聞こえてくる。 ー‐、-.、 __\\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _..-≦: : : : : :、}_≧=‐ / 宮中の中で待っていても _..-≦: : : : _、: : ; : : : : : : : :`ヽ、 | 誰も文句言わないのに _彡ア: :/: : : : -…

『本能寺遊戯』高井忍著

扇ヶ谷姫之、朝比奈亜沙日、アナスタシア・ベズグラヤの3人は、歴史愛好家の女子高生。 歴史雑誌の新説公募に対して、3人は受けねらいの奇説をでっちあげ、賞金や副賞を獲得しようとたくらむ。 本能寺の変、ヤマトタケル、春日局、弓削道鏡、それぞれの謎の…

『エルミタージュ幻想』

エルミタージュ美術館で目ざめる誰かの視点。その誰かは監督らしき独白をする。 その監督らしきロシア人は、古き時代にロシアをおとずれたヨーロッパ人と出会った。 ヨーロッパ人とロシア人は時空を超えたかけあいをしながら、エルミタージュ美術館をめぐっ…

「現世の個人は連綿とつづく血縁の中の一人の旅人である」というなら、日本というひとつの地域に呪縛されるいわれもない

拓殖大学学事顧問の渡辺利夫氏によるコラムが注目をあびている。良くも悪くも。 【正論】もともと日本に存在しなかった「個人主義」の呪縛から脱出せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫(1/6ページ) - 産経ニュース 大学で日本近現代史の講義をおこなっているそ…