開戦を前にして高まっていく緊張感は悪くなかった。特にロシア皇帝ニコライ二世が開戦をためらい譲歩する姿勢を見せながら*1、現場の思惑で情報伝達にすれ違いが起こる。秋山兄弟が書きつけた内容を隠す場面とともに、このディスコミュニケーション描写は戦争映画の定石。日本海軍が集まる暗い密室において、望まぬ形で戦争の始まりが描かれるところも良い演出。
今回はドラマの結末に向けて伏線がよりあわさっていく構成ができていて、現場の気分を描いたドラマとしては成り立っていたかな。まだ今週放映の第9回を見れていないので、いずれも次回次第だが。
特撮面も非常に健闘していて、港に停泊した軍艦を移動撮影で合成したカットは自然で印象に残った。
*1:ここは原作になかった描写だったはず。ニコライ二世は原作だと日本人に対して差別的な呼称まで用いていたと思うが、ドラマでは以前にも暗殺未遂事件を回想した場面に葛藤がうかがえたり、人物としての奥行きが増していると思う。