法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

司法

刑事告訴が受理されたことをつたえる報道が人権を踏みにじっているというなら、刑事告訴を検討する段階で報道するのはどうなの?

まず、書類送検は検察が捜査をはじめるまでの手続きであり、逮捕と同じように必ずしも有罪であることを意味しない。 そこで暇空茜こと暇な空白氏が書類送検された報道に対して批判があり、はてなブックマークでもid:whkr氏による下記コメントがはてなスター…

もしも支援団体Colaboへの監査で不正が見つからなくても請求が認容されたことが重視されるべきなら、たとえば不起訴処分になった人物でも書類送検されたことを重視すべきだろうね

まず半年前に書いたエントリから、Colaboの監査結果とその後の状況について刑事犯罪でたとえた部分を再掲しよう。 形式的に「当たり前の権利は保障されるべきとして暇空茜を支持する」というなら、「当たり前の権利は保障されるべきとして仁藤夢乃を支持する…

訴訟をとりさげた呉座勇一氏の反省部分に対して、関西学院大教授の千野帽子氏は「どっちが上品か」で考えてしまうとのこと

呉座側の代理人をつとめた弁護士の吉峯耕平氏が、相手方の全面勝利和解ではないという認識をツイートしていた。 被告側としては「全面勝利和解」と捉えているようですが、互譲によって合意が成立した解決ですから、当方はそのほうに認識しておりません。なお…

オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」をめぐる裁判で、オープンレターを発表した側の勝利で和解したという発表

一般的に和解は双方が満足もしくは許容できるかたちでおこなわれるが、一方が勝利したと発表できる和解ももちろん存在する。弁護士の渡辺輝人氏*1もツイートで指摘している。 勝利和解は幾らでも例はあり、私も、裁判所から「判決なら勝訴」と言われた事例で…

科研費裁判で杉田水脈氏が一部でも逆転敗訴したのは良かったが、「捏造」という評価をめぐる裁判所の判断はよくわからない

杉田水脈氏に33万円賠償命令 控訴審判決、教授らの訴え一部認める | 毎日新聞 清水裁判長は、経理に関する発言は科研費が不適切に使用されたと受け取られる内容で、真実とも認められないと判断。「ずさん」と指摘された牟田氏の社会的評価を低下させたと認定…

石川優実氏が名誉棄損されたという判決が確定したとのこと

「はるかちゃん」から私に対する名誉毀損が認められました。 | 石川優実 [Yumi Ishikawa] Official Site 私は、乞食行為をしていないことを書面で証明し、それが認められたということです。実際に被告はるかちゃんが「乞食だ」と主張していた私の行為は、き…

天皇玄孫の竹田恒泰氏、戦史研究者の山崎雅弘氏を名誉棄損でうったえて、「負け戦」を経験する

一審でも二審でも主張が認められつづけた山崎氏が、最高裁の上告棄却により勝訴が確定した。 先ほど、代理人弁護士の佃克彦さんより連絡がありました。竹田恒泰氏が私に対して起こした裁判での最高裁判所の決定が届きました。上告は棄却、上告受理申立は不受…

『ハクソー・リッジ』

第一次大戦帰りの父親にあおられて、幼いデズモンドは弟へひどい暴力をふるってしまう。成長したデズモンドは暴力を嫌うようになったが、対日戦争のため軍隊に志願した。 しかしデズモンドは軍隊でも暴力を嫌い、けして銃にさわろうとしない。それでも組織や…

『 終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」』

1945年5月の福岡。教授に呼ばれて捕虜の手術に参加した助教授は、人体実験をしていることに気づく。 敗戦とともに裁判がはじまり、拘置所の教授は軍に命令されたが自分に全責任があると遺書をのこして自殺。 助教授は出廷できるなかでの最高責任者として、死…

強者が弱者に嫌がらせをするという「スラップ訴訟」の「特徴」は、絶対的な「定義」ではないよ

著作が引用をめぐって訴訟された石川優実氏だが、一審では全面勝訴した。 弁護士ドットコム記事によると、記者会見で石川側弁護士が「一種のスラップ訴訟」と表現したという。 石川優実さん勝訴、本で紹介した「#KuToo」批判ツイートは「著作権侵害」にあた…

中国での幕府山事件の捕虜虐殺を正当化する妄言と同程度のツイートが21世紀の日本で流れていた

幕府山事件とは日中戦争で日本軍のおこなった虐殺のひとつで、捕虜をあつめて裁判もなく機関銃で皆殺しにしたと考えられている。 近年では清水潔氏の調査によるドキュメンタリー番組が深夜ながら地上波で放映され、再現映像ともども印象深い内容だった。 「…

『ドキュランドへようこそ』「RBG 最強の85才」(前編)

2020年9月に死去したノトーリアスBIGならぬノトーリアスRBGの、2018年につくられた長編ドキュメンタリーを二分割して放映。後編は来週。 www.nhk.jp 最高裁判事の就任式に、つい先日に米国新大統領に就任したバイデンがいて、おそらく日本で後づけされたテロ…

『ドキュランドへようこそ』「私のような少女たちへ」

2018年のフランスとカザフスタンの合作ドキュメンタリ。『ドキュランドへようこそ 選』の再放送で視聴した。 www.nhk.jp 実父に性的暴行を受けていたアフガニスタンの女性カテラが、事件を社会にうったえる戦いを映しとる。 日本人の視聴者から見ると中東と…

『真昼の暗黒』

腹立ちまぎれに馬車の荷をひっくりかえした男がいた。それを償うため仲間に頭を下げてもらいながら、男は金策に困った姿を見せる。 そして夫婦心中に偽装した強盗殺人が起きる。荷をひっくりかえした男が自白するが、手のこんだ偽装工作から警察は複数犯と考…

名誉棄損裁判で植村隆氏の敗訴が確定したが、勝訴した櫻井よしこ氏こそが誤りを認めて謝ったことは知られてほしい

敗訴したことは残念だが、一審二審における裁判所の動きから予想はしていた。 慰安婦巡り元朝日記者の敗訴確定 最高裁、上告退ける決定 最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は植村氏の上告を退ける決定をした。18日付。請求を棄却した一、二審判決が確定した…

STUDIO4℃に対する訴訟は、裁判外で未払金が支払われたため、司法の前例としては確定できなくなったとのこと

マッドハウスにつづいてSTUDIO4℃の制作進行もブラック企業ユニオンに加入したとの情報 - 法華狼の日記 一点だけ救いがあるとすれば、先に戦おうとした人物がいて、きちんと報道されたことが、今回の動きにつながったこと。 上記エントリの続報になるが、会社…

判決がいうように「単なる慰安婦」か「挺身隊」かが当時の重要な争点だったら、金学順証言記事は違った内容になったのでは?

植村隆氏が櫻井よし子氏を名誉棄損でうったえた裁判で、札幌高裁は控訴を棄却した。 慰安婦報道訴訟、札幌高裁も棄却 元朝日記者の賠償請求:朝日新聞デジタル 櫻井氏は2014年に月刊誌「WiLL」4月号で「植村記者が真実を隠して捏造記事を報じた」と指摘。「…

検挙できそうになってようやく捜査をはじめるようじゃ、日本の警察が誇る検挙率も見せかけだよね

春名風花氏がインターネットの脅迫被害に対して告訴状を出したが、神奈川県警が受けとらなかったという。 「うちはそういうのやってないから」|春名風花|note 弁護士さんを通じて、刑事告訴の為の告訴状を神奈川県警察泉警察署に提出してもらっていたので…

強姦冤罪事件の責任を偽証した女性が負うべきではないのはもちろん、原因と考えるのも無理があるのでは

そう思わざるをえない法律事務所のまとめを読んだ。 【刑事】強姦被害者とされる者の虚偽の供述があったために有罪とされた冤罪事件に関するメモ - 竟成法律事務所(旧 法律事務所ミライト・パートナーズ)のブログ まず、最初の報道の時点でも、偽証とは別…

『三度目の殺人』

殺人犯として刑に服していた三隅が、出所後につとめていた食品加工場の社長を殺したとして逮捕される。弁護人のひとりとなった重盛は、三隅の死刑を回避した裁判官の息子だった。 あやふやな発言をくりかえす三隅から、弁護人は強盗殺人ではなく殺人後に窃盗…

『相棒season14』第15話 警察嫌い

あるアパートで起きた殺人事件。冠城は杉下の活躍を見たがるが、すぐ解決するだろうと杉下は考えていて何もしない。 事実、すぐに容疑者がつかまったし、目撃者もあらわれた。しかし容疑者は3人いて、目撃者も口を閉ざす…… かなり社会派なテーマをあつかいな…

「証拠によって明らかとされております」「証拠をもってその存在を決することが可能な事項ではない」どっちだよ

Wikipediaの「吉見義明」項目は、出典を誤読した記述が多い その2 - 法華狼の日記のコメント欄で「荻上チキSession22」が裁判をとりあげていると教えてもらった。 公式サイトを見ると、被告となった桜内文城元議員のツイートが紹介され、判決文のPDFファイル…

キルミーは関係ないし、ダンディはもっと関係ない、いいね?

どうやら否認しておらず物証も出ているとはいえ、容疑の段階で事務所が切断処理したのも気にかかる。 「青い花」「キルミーベイベー」「放浪息子」「セイクリッドセブン」販売終了のお知らせ: バンダイチャンネルからのお知らせ 諸般の事情により、現在配信…

小便に行きたいといったら部屋で小便がしたいことにされた袴田事件

袴田事件で新しく開示された録音から、警察官が嘘の証言をしたらしい場面が見つかったという。音声もふくめて報道された。 http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150601-00000719-fnn-soci 2015年1月、新たに、取り調べを録音した48時間分のテー…

『幸福の黄色いハンカチ』

山田洋次監督による1977年の作品。主演した高倉健の追悼企画として、2014年11月28日にデジタルリマスター版がノーカット放映された。 金曜ロードシネマクラブ|日本テレビ その録画で初めて作品を視聴したのだが、先入観とは全く異なる映画だった。 もっと辛…

『テレメンタリー2014』僕、殺したんじゃあねぇもの〜野田事件35年目の真実〜

千葉県野田市の竹藪で、小学1年生の女児が遺体となって見つかった。逮捕され有罪となったのは、知的障碍者のため6歳ほどの知能しか持たない青山正氏。 被害者のカバンから切りとった断片を所持していたり、取調べ資料で自白が確認できることから、有罪が確定…

韓国・仁川アジア大会でカメラを盗んだとされた選手が略式起訴された件について

選手本人が記者会見を開いて冤罪をうったえているので、実際に盗んだかどうかは別問題として、報道を見ていて感心したことがひとつあった。 JOC 冨田の主張に反論 監視カメラの映像確認「発言に驚き」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ 日本オリンピッ…

『奇跡体験!アンビリバボー』日本最大スクープ★封印された殺人事件

今週は弘前事件として知られる1949年の冤罪事件をとりあげていた。 前時代的な捜査がおこなわれた冤罪事件という印象を漠然と持っていたが、番組で描かれた事件の経過を見ると印象が全く異なる。 奇跡体験!アンビリバボー:日本最大スクープ★封印された殺人…

詐欺容疑で裁判にかけられていた遺族会会長が無罪確定

従軍慰安婦問題を初期に報じた植村隆記者の義母ということで、朝日新聞批判にも用いられていた。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140403/plc14040314250015-n1.htm この遺族会の元会長、梁順任(ヤンスニム)氏は、3年8月に「元朝鮮人従軍慰安婦 …

死刑制度を違憲と主張する弁護は異例?

象印の元副社長と主婦が被害者となった強盗殺人事件の裁判で、産経新聞が弁護側の主張をくわしく伝えていた。 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140227/waf14022717540031-n1.htm 極刑回避を狙う弁護側は死刑の違憲性を裁判員に訴えようと、…