法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『明治開化 安吾捕物帖』が『UN-GO』というタイトルでアニメ化

フジテレビ系列の深夜アニメ枠「ノイタミナ」で古典小説のアニメ化といえば、『怪 〜ayakashi〜』や『源氏物語千年紀 Genji』といった先例がすでにある。とはいえ、意外なスタッフによる意外なアニメ化と感じる。
坂口安吾:「安吾捕物帖」がアニメ化 「ノイタミナ」で10月放送 「ハガレン」スタッフが再集結 - MANTANWEB(まんたんウェブ)

 作家・坂口安吾の小説「明治開花 安吾捕物帖」がアニメ化されることが明らかになった。同作を原案にしたテレビアニメ「UN-GO(アンゴ)」で、10月からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送される。監督は水島精二さん、ストーリーと脚本は會川昇さん、制作はボンズと、アニメ「鋼の錬金術師」を手掛けたスタッフが再集結。また、ゲーム「シャイニング・フォース フェザー」のpakoさんと、アニメ「機動戦士ガンダム00」の高河ゆんさんがキャラクターデザインを担当する。

 「安吾捕物帖」は、文明開化に沸く明治初期を舞台に、紳士探偵の結城新十郎が個性的な仲間たちと次々と起きる怪事件に挑むストーリー。「UN-GO」は、同作を原案に、會川さんが大きくアレンジを加えたオリジナルストーリーのアニメ。近未来を舞台に、探偵の結城新十郎と、不思議な少年・因果(いんが)の2人が、次々と舞い込む事件の謎に迫るミステリーだ。

記事に書かれた他にも、監督と脚本は『大江戸ロケット*1という文明開化直前のアニメ作品も手がけており、考証の面ではさほど不安視していない。スケジュール遵守で有名な監督と、アニメーターの自由度が高いBONES制作ということで、おおむね作画も期待できるだろう。
気にかかるのは物語。かなり本格ミステリとしての完成度が高い原作だけに、アニメとして意味のあり、かつ原作を使う意味のある作品になるか、不安は大きい。


実は『明治開化 安吾捕物帖』は著作権が切れており、インターネットで読むことができる。
図書カード:明治開化 安吾捕物帖
かなり最近の作品ということもあり、文章は読みやすい。トリックも本格的でしっかりしている。短いので、一篇だけでも目を通してみることをすすめる。

*1:制作はマッドハウス。全体的にはパラレルワールドの江戸を舞台としたSFといったところ。