法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

インターネットの一部では、執拗に誹謗中傷された被害者の北村紗衣氏が、なぜか加害者の雁琳氏に執着していることになっている

 著名人としては、札幌国際大学の教授を定年退職した大月隆寛*1が、下記のようにツイートしていた。


そもそもなんでわざわざ雁林氏
「だけ」を訴えたのか、未だにその理由が謎なんだが、うんこ呼ばわりにムカついたってだけでなく、あれか、たかだか私大非常勤講師の分際で東大教授のアテクシをうんこ呼ばわりしやがって~、というつよつよ差別意識からのマウントが実は本質だったのか?

 そもそも裁判で争点となった誹謗中傷は複数あり*2、「うんこ」という表現がつかわれているのはひとつにすぎない。


 先日のエントリ*3でとりあげた「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏も、誹謗中傷を継続する相手に抗議することを執着とみなして、手間ひまかけて潰しに行っていると不思議がっていた。


北村紗衣氏がなぜあれほど雁琳氏に執着したのかもよく分からないな


勝てると踏んだというのはあるでしょうけど、別に放置しても特に困らないでしょうし、手間暇かけて潰しに行くのがよく分からんです

 まだ一審とはいえ比較的に高額の賠償金が認められるような被害をかけられたと裁判所が判断しているのに、根拠なく放置しても特に困らないと根拠なく考える理由こそわからない。
 ここで興味深いのが「yoshitoshi nakajima@yoshitoshi20154」氏の経験談だ。本人は言葉の応酬の問題にしたいようだが、根拠を出せない主張をしてしまったと語るに落ちている。


それは、北村さんの性格のためだったと思いますよ。かなり、気性は激しい人ですから。僕に対してもホントのところは「お互い様」くらいの言葉の応酬だったんですよね。僕な対しては、真実性の証明のところで北村側が「デマ」と言ったところを僕が証明できれば僕の勝ちでしたから。。。


ああ、特に雁琳氏に執着したわけではなくて、あんまり話題になってないだけでけっこう手当たり次第に訴訟沙汰を仕掛けてるのかもしれませんね


聞いた話ですので、確実ではないですが、あの件で書類を送りつけた人数は6人と聞きましたね。

 ちなみに「yoshitoshi nakajima@yoshitoshi20154」氏が、「中島芳利 @鳩山原人 @ry355828_e」名義で北村氏への謝罪に追いこまれた流れは、下記にまとめられている。
又聞き情報をもとに北村紗衣氏を中傷し、開示請求される→「俺が圧倒的優位」と余裕ぶっこいてたら情報元の人からハシゴを外される→謝罪 - Togetter
 北村氏のさまざまな問題について「僕は見てきてます」とツイートし、裁判になったとしても「圧倒的優位」と自認した。しかし実際は他人の主張を信じただけで根拠など出せないまま、その他人が根拠を出さないから裏切られたと主張して終わった。今回は「聞いた話ですので、確実ではない」と留保できただけ成長しているのかもしれない。
 そして「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏は「yoshitoshi nakajima@yoshitoshi20154」氏を信じて、被害者が加害者を標的にしたという転倒した考えで、北村氏は力の誇示のため訴訟をおこなったと想像していた。


手頃な標的だったのは分かるものの、「誰でもいいから訴訟沙汰にしてえ〜!」とでも思ってないと、裁判なんてめんどいことしない気がするんですよね。ただ、他の方からのリプによると、多数の人にああいうことしてるらしく、特に雁琳氏にだけ執着したってわけじゃないのかも。力の誇示のためとかかなぁ

 訴訟までは力の誇示としておこなえても、正当性を誇示できなければ勝訴は難しいと思うが。


 また、「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏は北村氏が揶揄や嘲笑を好んでいると論評している。仮にそうだとして、主張の正当性がことなれば揶揄と嘲笑という形式だけ同じでも対応は違って当然だろう。


北村氏自身は論敵への揶揄や嘲笑を好んで行なっているので、揶揄や嘲笑に対する嫌悪や潔癖はって評するのはちょっと違和感ある気もします。自分は平気でやるのに、自分がやられたりやり返されたりは我慢ならないというだけに見える

 先述したように、雁琳氏との裁判で争点となった誹謗中傷は複数あるし、「yoshitoshi nakajima@yoshitoshi20154」氏との争点は主張の真実性だった。
 誹謗中傷にならない揶揄や嘲笑は平気でやるのに、誹謗中傷になる揶揄や嘲笑をやられることは我慢ならないと考えれば、特に二重基準とは感じられない。
 引用リツイートid:zaikabou氏が「踏み外した」という表現で違いを指摘しているが、勝ち負けの話ではないと返答されてひきさがっているのもよくわからない。


揶揄や嘲笑は踏み外した方の負けなので…


揶揄に対する嫌悪や潔癖さがあるかどうかの話であって、揶揄の勝ち負けの話はしてませんでした


そうですね、失礼しました

 たしかに「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏のツイートは前半までなら揶揄や嘲笑という形式の嫌悪や潔癖さの有無を論じているが、後半は同じ形式でも北村氏の態度が異なることを主張している。その原因を北村氏がやる時とやられる時という違いだけと「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏は論じたわけだ。
 事実として「揶揄に対する嫌悪や潔癖さがあるかどうか」にとどめない「skerenmi@skerenmi」氏の引用リツイートには、zaikabou氏に対してとは違って、留保なく肯定しているようだ。


口喧嘩で負けそうになったら法的手続きとるやべーやつってこと?


はい

 しかし北村氏が雁琳氏に口喧嘩で負けそうになっていた記憶がない。雁琳氏が大学の契約を切られたのは、大学とのやりとりを勝手に公開して自滅しただけと思われ、そこに北村氏の策略を見いだすことは難しい。


 北村氏の行動を執着あつかいして不思議がる「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏だが、どちらが執着しているのだろうかという疑問もおぼえる。


北村紗衣、外道
人の道に悖る
どれだけ強い言葉で非難しても足りない


神原弁護士はともかく、北村先生自身は嘘を吐いてる自覚くらいはあるはず…と思うんだけど、あそこまで異常な言動の数々を見てきると流石にちょっと自信なくなってくる。過大評価だったのかもしれない


しかし、裁判沙汰にさえしなければ誰もいちいち覚えてるはずのなかった「ポリコレリベサヨうんこ学者」がすっかり特定個人の二つ名として定着したわけで、今回は自業自得だから別にいいけど、侮辱や名誉毀損を沙汰にするというのはそのへん難しいよな


裁判沙汰になんてしなければ、「ポリコレリベサヨうんこ学者」は、当該投稿で名指しされた2人をはじめとする特定の傾向のある人達への悪口に過ぎず、元々は特定個人の二つ名になるようなものじゃなかったのに…

 最後のふたつのツイートなど、ほとんどイジメ加害者の論理と変わりがない。その表現を誹謗中傷と裁判で認めさせたことが自業自得という意味もわからない。
 たとえばリアルタイム検索を参照すれば*4、「ポリコレリベサヨうんこ学者」という表現は裁判のさなかでは言及がほとんどなく、一審判決で北村氏が勝訴してから反発するように広められている。裁判沙汰にした時点ではない。
「ポリコレリベサヨうんこ学者」のX(旧Twitter)検索結果 - Yahoo!リアルタイム検索

*1:はてなアカウントはid:king-biscuit

*2:判決文のノンブル54~59頁に掲載。 http://www.mklo.org/mklo/wp-content/uploads/2024/04/ffdd5b80e78c62b11a9a19dbd8ffa153.pdf

*3:インターネットの一部では、名誉棄損裁判で勝訴した北村紗枝氏が、周囲が誤読するよう誘導して騙していることにされている - 法華狼の日記

*4:全文検索ではないので参考あつかいだが。googleトレンドでは問題のツイートがあった2021年2月に突出して検索された後は忘れられ、2024年4月17日に検索されて忘れられている。