世界で最も人気がある国、ニッポン しかし、日本人が一番この国の良さを分かっていない(5/5) | JBpress(日本ビジネスプレス)
私は、世界最古の民主主義国は日本だと思っています。天皇が国民を思い、無私の心で祭祀を司る。国民は天皇を仰ぎ、感謝の心をもって労働する・・・。そうした国民本位の政治が、古代から行われてきました。
これは「君」と「民」が対立概念であるヨーロッパでは、あり得ないことです。ヨーロッパにおける国民は長らく国王の私物であり続け、ようやく国民本位の政治を手に入れたのはフランス革命のときでした。民主主義のキャリアは日本の方が断然長いのです。
……ギリシャの歴史を知らないのかもしれない。
ちなみに冒頭に戻って確かめてみると、ギリシャ神話には言及していたりもする。
世界で最も人気がある国、ニッポン しかし、日本人が一番この国の良さを分かっていない(1/5) | JBpress(日本ビジネスプレス)
しかし近代合理主義のなれの果てみたいなアメリカですら、ノアの方舟やモーセの十戒などの旧約聖書に出てくるキリスト教の神話やギリシャ神話を教えています。
もしかすれば、ギリシャの市民は階級制度だったという反論があるかもしれないが、武家政権とか「国民」が政治をになった際の権力構造を無視しているのは竹田氏だ。古代ギリシャが比較的に国民本位であったことはゆるがないだろう。
日本の教科書は歴史を地質学や考古学から語り始めます。ヤジリだとか土器だとか古墳だとか、最初はずっと発掘の話ばかり。それが飛鳥時代に入るあたりで、ガラッと変わります。要するに理系で語っていた口調が、途中で文系のそれにスイッチするんです。
考古学は理系で史学は文系ですから、学問の体系が全然違う。なのに同じ教科書に両者が併存している。こういう歴史の語り方はほかの国にはありません。
説明自体はとても科学的ですが、そこに巧妙な企みがある。ことさら科学的に論理的に語ることで、神話や建国の経緯を教えずに済ませるという、いうなれば裏ワザなんです。
あくまで私的な想像だが、日本史が先石器時代から記述されたりしているのは、可能な限り古くから叙述するためだろう。
いずれにしても、日本最古の歴史書とされる古事記の成立は飛鳥時代末期だから、文献資料のみに依存するなら飛鳥時代以降しか明確な記述はできない*1。成立年代で考えるなら古事記はキリスト生誕以前の神話が記述された旧約聖書よりも新しい。もちろんキリスト生誕と比べても700年は遅れている。古事記は成立より古くから口伝された神話も記述されているが、別に神話にたよっても古さの競争に勝てるわけではないのだ。
「天皇の権威は、2000年という歴史の中でとてつもない重みを獲得しました」という主張は、しょせん天皇を権威づけたい欲望が漏れたものなのだろう。その背景に旧皇族という竹田氏の立場があるという想像も、まず的外れではあるまい。
しかしまあ、こういうオリジナル民主主義を提唱しながら慶應義塾大学で憲法の講師をつとめられることには改めて驚かされる。どれだけ権威や歴史があっても私立大学だからできることなのか。