法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

インターネットの一部では、名誉棄損裁判で勝訴した北村紗衣氏が、周囲が誤読するよう誘導して騙していることにされている

 編集者で小説家の鳥山仁氏がツイートしているように、漫画『葬送のフリーレン』における「魔族」の設定*1に北村氏をなぞらえる動きがあるらしい。


宇崎ちゃん騒動時のつぶやきを読んだ段階で思っていたんだが、北村紗衣は文才があるんだよな。丁寧に読むと「何を指示しているのか分からないが、飛ばし読みすると高確率で誤読する文章」を意図的に書いてるわけでしょ。みんなが彼女に、フリーレンの魔物を想起するのも無理はないと思うよ。

「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏も北村氏がミスリードしていると主張して、「魔族」あつかいするリプライに留保しつつ最終的に賛同している。


しかし北村紗衣氏、慢性的にああいうミスリードの印象操作ばかりしていて、自分の周りには自分に騙されてる馬鹿しかいないわけで、どんな人間観なんだろう。信頼や誠実といったものを見下し、人間のことを、詐術でコントロールする対象とか、暴力で屈服させる対象としか思ってないのかな


魔族ですなやはり…


あんまり悪魔化するのもよくないでしょうがけど、非人間的な邪悪さ、感じてしまいますね

 現実を虚構になぞらえる自由はあるが、それを個人の論評にもちいるなら賞賛する場合でも慎重さが必要だろう。誹謗中傷の被害者への批判に虚構をつかうのであればなおさらだ。


 しかしまだ一審判決とはいえ、裁判という場所で勝利したのは北村氏であって、雁琳氏ではない。その内容もほとんど一方的なものだった。
雁琳氏に誹謗中傷されたとして北村紗衣氏がうったえた名誉棄損裁判で、比較的に高額の賠償が認められたとのこと - 法華狼の日記
 また、北村氏を呉座勇一氏が誹謗中傷したことをきっかけとしたオープンレター「女性差別的な文化を脱するために」も裁判で争われたが、呉座氏側が全面的にひきさがる和解で終わった。
オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」をめぐる裁判で、オープンレターを発表した側の勝利で和解したという発表 - 法華狼の日記
 第三者としては、雁琳氏や呉座氏こそが周囲に騙されて正当性のない裁判をはじめて、無駄な労力をかけて負けたようにしか見えなかった。それとも裁判所も北村氏に騙されている馬鹿だと思っているのだろうか。
 もちろん判決に問題があると思えば批判する自由はある。勝敗そのものには疑問がなくても細部の判断や賠償金の多寡などで不当性を見いだせることもあるだろう。だが社会的な判断をおこなう専門機関が北村氏に騙されているのであれば、それは「周り」のようなせまい範囲ではありえない。「まーにゃ・うらら姫@lyricalium」氏が本当に不当判決と思うならば危機感をもつべきだ。


 そもそも北村氏がミスリードして周囲を騙したようなことがあっただろうか。周囲の人数が多ければ結果として何人か誤読することもあるだろうが、致命的な誤解が広まっている場面は見かけたことがない。
 呉座氏との和解後に「女性差別的な文化を脱するために」が公開されたかのような誤解など、むしろ北村氏に対立する側が印象操作されて騙されているような場面ばかり見かけてきた。
呉座勇一氏と北村紗衣氏の和解金をめぐって、オープンレター以上に大変な事態になるのでは? - 法華狼の日記

さすがに新世紀ユニオンも時系列で虚偽は書きたくないのだろう、「オープンレター側」や「オープンレターの運動とリンク」と表現して、オープンレター自体が和解後の攻撃として出されたとは書いていない。

新世紀ユニオンの表現のためかオープンレターと和解の前後関係を混同しつつ、削除された記述をそのまま信じて北村氏を非難しているツイートは他にも複数ある。

 どうやら北村氏がミスリードしていることにされているらしい「内容証明」についても、雁琳氏の説明が二転三転したあげく個人あての抗議をポストを確認せず気づかなかったという真相で、近い立場からもあきれられたことは記憶している*2。その結果として、たびかさなる誹謗中傷に対して北村氏が段階をふんで抗議した経緯も明らかになった。
 初手から頭ごなしに大学へ内容証明をおくりつけたかのように周囲を誤解させ、はしごをはずしたのは雁琳氏だ。そこから内容証明という形式だけが誤りと認識して、北村氏が最初から大学をとおして強く抗議したと認識しているなら、やはり誤解させているのは雁琳氏であって北村氏ではない。雁琳氏がみずから公開した録音によって*3、北村氏はあくまで誹謗中傷を止めるよう要望したことや、大学側がすぐに雁琳氏を辞めさせようとしたわけではないこともわかっている。むしろ雁琳氏の説明によれば勝手に録音を公開したことで契約がうちきられたという*4
 個人あてに抗議しても誹謗中傷をつづける人物の所属先にハラスメントを報告しても誹謗中傷がつづいた。そして一審で勝訴しても雁琳氏は態度をあらためているようには見えない。自発的に録音を公開したことで契約をうちきられた責任を、誹謗中傷に抗議した北村氏の責任とする。いったいどちらが「邪悪」なのだろう。

*1:作品独自の設定として、魔族は一種の擬態として人間に対する武器としてコミュニケーションできるかのような行動をとる。哲学的ゾンビのような存在とも評されることがあるくらい、見かけと違って実際にはコミュニケーションができない異質な存在と位置づけられている。

*2:[B! 炎上] 雁琳(がんりん) on Twitter: "んんん?????? 11月10日以降の近日に書面なんか受け取っていないんですが…………(というか今年度はポストを殆ど見ていないから気付かなかっただけなのだろうか……) https://t.co/FtL9pQILdK"[B! 保守] 雁琳(がんりん) on Twitter: "勤務先の私の郵便受けに投函されていた私宛の昨年11月9日付けの北村紗衣氏代理人弁護士からの内容証明郵便を先週月曜日に回収致しました。勤務先に電話した所、本状が郵便受けにある旨を聞き、回収致しました。その内容には、相手方弁護士の懲戒… https://t.co/NdcCC3t89I"

*3:

*4: