法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

司法

死刑制度を違憲と主張する弁護は異例?

象印の元副社長と主婦が被害者となった強盗殺人事件の裁判で、産経新聞が弁護側の主張をくわしく伝えていた。 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140227/waf14022717540031-n1.htm 極刑回避を狙う弁護側は死刑の違憲性を裁判員に訴えようと、…

外国向け記者会見で吉見義明『従軍慰安婦』を捏造と主張した問題について、被告側の主張に当惑

従軍慰安婦問題をめぐる名誉毀損裁判の第一回口頭弁論で、維新の会はしっぽを切らなかったらしい - 法華狼の日記の続報。 どうやら被告側は歴史学の方向では戦わないことを選び、桜内議員が何を指して「捏造」と評したかという争点に持っていきたいようだ。 …

『アミスタッド』

1839年、大西洋を航行していたアミスタッド号において、黒人奴隷が反乱を起こした。やがてアミスタッド号は米国に流れつき、拘束された奴隷について司法闘争がおこなわれる。 スペインも加わって奴隷の所有権をめぐる裁判がはじまり、やがて奴隷制をめぐる米…

「やる夫で学ぶ百人斬り裁判」の紹介と、証拠や資料の恣意的な評価について

2ちゃんねる外部の掲示板で投下されていた。本編は「>>1」から「>>511」まで。日本軍人が処刑された中国の軍事法廷ではなく、日本の名誉毀損裁判を要点にしている。 やる夫で学ぶ百人斬り裁判 - やる夫板II - したらば掲示板 南京軍事法廷は拙速だったかも…

橋下徹弁護士は常に強い者の味方?

いや、光市母子殺害事件で弁護団への懲戒請求を煽った時と、ずいぶん態度が違うと思ったので。 橋下弁護士は、弁護人が職務を遂行することへ異議をとなえ、世論の厳罰化を後押しした。ならば、従軍慰安婦問題において日本政府が批判されている現状も、追認す…

『奇跡体験!アンビリバボー』殺人容疑をかけられた美人姉妹/15歳の挑戦!終身刑のボクサーを救え

「世紀の判決」と題した、冤罪にまつわる二本立て。公式サイトのバックナンバーを見ると、事件の顛末までしっかり説明していたので、リンクですます。ここまで詳細に毎回の解説をしているとは知らなかった。 http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/130221_1.…

『土曜プレミアム・世界法廷ミステリー〜暴かれた仮面〜』

海外で話題となった複数の事件を、公開されている法廷映像を素材にしてドラマ化し、裁判の進展をゲストタレントに推理させる趣向のバラエティ番組。フジテレビ系列の土曜プレミアム枠で放映された。 http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2013/130125-02…

『ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト』

アパルトヘイト撤廃後の南アフリカ共和国で、真実を公に告白すれば恩赦される真実和解委員会を描く。後に『英国王のスピーチ』でアカデミー賞作品賞を受けたトム・フーパーが、映画での初監督をつとめた作品でもある。 http://gyao.yahoo.co.jp/p/00867/v005…

拘置所からの手紙は真意を伝えているとは限らない

人の心はゆらぐもの。拘束された状態ならばなおさらだ。 先の光市母子殺害事件判決についてのエントリ*1でも間接的に言及した冤罪事件に、最高裁判決がくだされて、無罪が確定した。 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120224/trl12022417550003-n1.htm…

光市母子殺害事件の事実関係は、あらゆる領域で忘却され続けている

下記エントリのコメント欄を見て、あぜんとしてしまった。 2012-02-21*1 Taka 2012/02/22 09:05 一審、二審で、弁護団が事実関係で争わなかったのは、 結局、弁護側も、事実関係は、どうでも 良かったんでしょ? 死刑さえ、回避できれば。 12年も、裁判や…

光市母子殺害事件の死刑確定判決に関連する加害者報道の備忘録

いくつかの報道と対する反応を見て、今回の判決は日本社会が被害者を軽視し続けるという宣言だと私は読み取った。 まず、光市母子殺害事件の報道において、複数の報道機関が被告を実名報道へ切りかえた。 http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY2012…

『奇跡体験!アンビリバボー』

戦後に起きた冤罪事件として知られている*1二俣事件について、自らの首をかけて告発した刑事の半生が再現ドラマで描かれた。 http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/120119_1.html 底本は刑事が自費出版した『現場刑事の告発』とのこと。告発が失敗したため…

死刑廃止論をフルボッコに論破するというコピペは誰の味方なのか

相手を「論破」できるというコピペをまとめたブログに、死刑廃止論者を論破対象に選んだものがあった。 相手をフルボッコに論破するコピペを貼っていけ BIPブログ しかし一読して疑問点だらけと思った。コメント欄でも複数の批判がよせられ、「論破」ではな…

橋下徹弁護士、懲戒請求を扇動した問題で逆転勝訴

二審で賠償額が減っていたので、予想はしていたが。 http://www.asahi.com/national/update/0715/TKY201107150427.html 1999年の山口県光市の母子殺害事件をめぐり、被告の元少年(30)の弁護人らが、大阪府知事就任前の橋下徹弁護士の発言で名誉を傷…

橋下徹弁護士は自分がしないことを他人に求める

近年に日本で国旗国歌法が制定された時、強制にはつなげないと答弁されてもいた。後に参議院でも、音楽授業等で「児童生徒の良心の自由にかかわっていく、あるいは内心の自由の表明についてそれを評価していくというようなことは適切ではないものと考えてい…

橋下徹弁護士、体をはって懲戒請求の無意味さを主張する

この短い記事の、さらに短い橋下弁護士のコメント一つにツッコミどころがいっぱい。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101119-OYT1T00552.htm 弁護士の懲戒請求を呼びかけた橋下徹・大阪府知事の発言を巡り、知事への懲戒請求を大阪弁護士会に申し…

在特会の徳島事件初公判で明らかになった産経新聞の的外れぶりと、弁護士の正体と

「徳島県教組襲撃事件」の初公判についての報告ツイートを、id:three_sparrows氏がまとめていた。 【在特会】徳島県教組襲撃事件初公判【チーム関西】 - Togetter*1 情状酌量を求めるため主張を取り下げたい在特会と、裁判を利用して主張を行なう主権回復の…

尖閣諸島をめぐる映像への感情投影

先月、尖閣諸島の領有正当性を主張するデモに対し、反対して道路で座り込みを行った2人の横断幕が奪い取られる出来事があった。 都内で右派系デモ、中国の「侵略」に抗議 1000人以上行進 写真15枚 国際ニュース:AFPBB News AFP通信記事で複数の写真が紹介さ…

立場が変われば人も変わる、検察も変わる

久々に胸がすっとすると同時に爆笑できる記事だった。いやもちろん冷静に考えると全く笑えない話ではあるのだが。 http://www.asahi.com/national/update/1004/OSK201010040091.html 大阪地検の前特捜部長らが部下の証拠改ざんを隠したとされる事件で、前副…

橋下徹弁護士(業務停止中)が処分情報漏洩を理由に大阪弁護士会へ懲戒請求をかける意向だそうだが、どうしても本気とは思えない

あまりにあまりな見出しを見て苦笑し、記事の内容を読んで失笑した。 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100921/trl1009211414014-n1.htm 山口県光市で起きた母子殺害事件をめぐり、被告弁護団の懲戒請求を呼びかけたことについて、大阪弁護士会から業…

橋下徹弁護士(業務停止中)に懲戒請求が通る

しかし現在は知事になっていて弁護士業務を行なっておらず、メディアでコメントする場合も弁護士という肩書きは必要なさそうなので、懲罰としての効果もないだろう。 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201009170006.html 弁護士の橋下徹・大阪府知事(4…

略式起訴という発想はなかった

書類送検したはいいが、それから本当どうするの - 法華狼の日記*1の続報。どのように公判を維持するのか、それとも逮捕しながら不起訴で終わらせるのかと思っていたが、略式起訴という発想が私に欠けていた。 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201009010…

在特会が接見のために呼んだ弁護士が「人権派」だったという話

そもそも人権を守ることは弁護士の義務なのだが、当該の弁護士は韓国人差別問題へ熱心にとりくんでいるとのこと。 在特会が依頼した弁護士は「人権派」だ!と西村修平が解任を要求 - Togetter 緊急速報です!!!ネトウヨ界の希望の星、在特会が京都府警に逮…

『殺人の追憶』

ずっと観なければならないと思っていたポン・ジュノ監督の韓国映画。軍事独裁政権下に起きた現実の陰惨な連続殺人事件を題材とし*1、犯人を探し求めた刑事達の顛末を描く。 感想は途中からネタバレをふくむので、続きを読む方式で。 確かに構成は緻密で、映…

『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』門田隆将著

新潮社から出版された、光市母子殺害事件をめぐるノンフィクション。タイトルや出版社からわかるように、被害者遺族の心情へよりそった内容となっている。 もちろん、一方へよりそうことは必ずしも悪くない。下手に両論併記するより、明確に立ち位置を宣言す…

橋下徹弁護士に懲戒審査が行われることとなった

しかし、知事の座にある現在は最初から弁護士業を停止しているし、弁護士への復帰が難しそうでも、このまま風見鶏な政治家として転身しそうな予感がしてならない。 実際に報道量も少なく、多くのメディアにも話題性があるとは考えられていないようだ。 http:…

一票の価値が減じられるべきではないと、確かに司法は期待していた

外国人地方参政権の話題で、自分の一票の価値を希釈されたくないという意見を見かけた。そういう意見を批判する意図ではなく、ふと思い出したことを書いておく。 最初に注意しておくが、外国人地方参政権と直接の関係はない、ただの自民党叩きである。 さて…

『戦場のメロディ〜108人の日本人兵士の命を救った奇跡の歌〜』

フジテレビ系列の土曜プレミアム特別企画として9月12日に放映されたスペシャルドラマ。 戦前の第一回紅白歌合戦でトリをつとめた渡辺はま子、その戦後における代表曲「あゝモンテンルパの夜は更けて」が生まれたいきさつを、元兵士らの証言や資料やドラマを…

終身刑導入反対を主張する江川昭子エントリは疑問だらけだが

Egawa Shoko Journal: 私が終身刑の導入に反対するワケ すでにブックマークで様々な視点から批判されており、今さら大きく付け加えることはない。 はてなブックマーク - Egawa Shoko Journal: 私が終身刑の導入に反対するワケ 一つ思うのが、江川昭子氏は松…

的外れではなかったことを確信

指摘ではなく、あくまで質問だったのだが、回答をいただけたことは感謝する。 二重の意味で的外れな指摘 : 週刊オブイェクト まず「過失」と「故意」では大きな開きがあり、同列に扱えるものではありません。この事件は業務上の過失として処理されています。…