法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

歴史

『エルミタージュ幻想』

エルミタージュ美術館で目ざめる誰かの視点。その誰かは監督らしき独白をする。 その監督らしきロシア人は、古き時代にロシアをおとずれたヨーロッパ人と出会った。 ヨーロッパ人とロシア人は時空を超えたかけあいをしながら、エルミタージュ美術館をめぐっ…

「現世の個人は連綿とつづく血縁の中の一人の旅人である」というなら、日本というひとつの地域に呪縛されるいわれもない

拓殖大学学事顧問の渡辺利夫氏によるコラムが注目をあびている。良くも悪くも。 【正論】もともと日本に存在しなかった「個人主義」の呪縛から脱出せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫(1/6ページ) - 産経ニュース 大学で日本近現代史の講義をおこなっているそ…

『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』

のび太たちは自由を求めて家出したが、日本のどこでも人があふれていて居場所がない。そこでドラえもんの力を借りて、原始時代の日本へ家出をすることにした。 しかし現代にもどって原始人ククルと出会ってから、のび太たちは原始時代を支配しようとする呪術…

『フロム・ヘル』

アラン・ムーア原作、エディ・キャンベル作画、柳下毅一郎翻訳のグラフィックノベル。切り裂きジャックを題材にして、時空を超えて虚構と現実が重なりあうさまを見せていく。 『フロム・ヘル』 | トピックス : みすず書房 本作が再現を試みているのは、新世…

「日本の伝統的な心・技・体の一体化した美」を「茶道や能、狂言のエキス」で理解してもらうという不思議なプロジェクト

「能の原型になった芸なんだっけ?」 「ええと……散楽だね」 「狂言になったのは?」 「………散楽だね」 「もひとつ質問いいかな。茶道のもとになった仏教と喫茶、どこから来た?」 「君のような勘のいいガイジンは嫌いだよ」 官邸の「日本の美」総合プロジェク…

アニオタが外国に「日本の美」を軽く紹介するための10本

選んだ基準は、近代国家として成立する以前の日本を舞台としているアニメ映画。 史実に忠実でなくとも、妖怪や精霊が登場しても、その時代の一側面を切りとっていれば採用した。 ただし時間移動する作品は除外したので、『映画ドラえもん のび太の日本誕生』…

『星籠の海』島田荘司著

愛媛県沖の小島にながれついた死体。その源流をめぐって、名探偵の御手洗潔と助手の石岡和己は広島にたどりつく。 古くから潮流による海運がいとなまれていた瀬戸内海で、水軍の超兵器の謎解きと、暗躍する新興宗教との戦いが並行する…… 2013年にハードカバ…

音楽映画ベストテン〜アニメ限定〜

例によってアニメしばりで参加。 2015-10-31 推奨されている計測しやすい書式*1にそって、冒頭にリストを置いたが、うまく表示されるだろうか。 ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年、須田裕美子・芝山努監督) マクロスFB7 オレノウタヲキケ!(2012…

ちょっと気になるロシアの愛国美談映画

第二次世界大戦、独ソ戦でモスクワに残された28人の兵士が最後まで戦い、戦車を撃破したという「美談」があった。 http://jp.wsj.com/news/articles/SB12651166888765394352004581165943210406316 1941年11月16日、ナチスドイツ軍がモスクワを包囲するなか、…

『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』

「京都大火編」戦いからはなれた剣心に、ふたたび政府が接触してきた。志々雄真実という暗殺者が、維新後に切りすてた政府への反乱をくわだてているという。 いったんは断ったが、大久保利通が暗殺されたことを知って、京都へ向かった剣心。そのまわりに、か…

『草の乱』

1918年、北海道の寒村。ひとりの老人が、ずっと隠してきた過去を家族へいいのこそうとしていた。それは鎮圧された反乱の、民衆側の記憶だった。 1883年の埼玉県。世界的不況と松方財政による生糸価格の暴落、富国強兵のための重税、高利子の借金……いくつもの…

『NHKスペシャル』新・映像の世紀「第1集 百年の悲劇はここから始まった」

NHKの有名なドキュメンタリーシリーズ『映像の世紀』の現代版。初回の第1集は約百年前の第一次世界大戦を中心として、世界の変動を描きだしていく。 まず残念なこととして、あまりに公式サイトの情報量が少ない*1。 NHKスペシャル「新・映像の世紀」 番組本…

『リンカーン』

スティーヴン・スピルバーグ監督による2012年公開の伝記映画。リンカーン最後の4ヶ月を2時間半かけて描く。DVDで視聴したところ、映画が始まる前に監督が登場して、簡単な状況説明がなされた。 映画「リンカーン」オフィシャルサイト 南北戦争の終結が近づく…

「「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明」が出たこと

米国の日本研究者を中心とした「日本の歴史家を支持する声明」*1に呼応してか、日本の歴史関係の団体からも声明が出された*2。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150525/k10010091611000.html 歴史学や歴史教育に携わる研究者で作る学会などのうち、会員数…

『暁のヨナ』雑多な感想

ついに主人公のもとに伝説の四龍がつどった。これから父王を殺した敵と戦うべきか、それとも国を立てなおしていく簒奪者を許すべきか。何ができて何をしたいのか、それを問われる。 ひとまず世直しもすませて、当面の目的であった仲間集めも終わり、第一部と…

日本書紀を史実あつかいするなら、仁徳天皇の評価とひきかえに武烈天皇の評価もひきうけなきゃね

愛知県一宮市の中学校で、記紀が史実であるかのように校長が主張したという。 神話や建国記述「間違ってない」「感動した」 一宮市教委の注意で削除の中学校長ブログに激励(1/6ページ) - 産経ニュース 「神武天皇以来2675年に渡り、我が国は日本型の民…

「従軍慰安婦は日本における奴隷だ」という認識に対して、「奴隷は日本にまったくいなかった」とだけ返す没論理の問題

朝日新聞に対して訴訟をおこした「朝日新聞を糺す国民会議」が、2月23日に日本外国特派員協会で記者会見をおこなったという。 主に発言したのはチャンネル桜の水島総氏と、かつて韓国人を装って韓国批判本を出した加瀬英明氏。 その感想として山口智美*1氏ら…

『岩井俊二のMOVIEラボ』#5 ドラマ編 パート1/#6 ドラマ編 パート2

このドラマ編にて、映画の歴史をふりかえるトークバラエティ番組が終了。1分スマホ映画の投稿受付も終わった。 http://www4.nhk.or.jp/movielab/ ゲストの大林宣彦監督は、詩的な言葉をならべながら、俯瞰するように理知的に各作品を評していく。自作品では…

「最近のラノベ」を理解したい人へ薦める、単巻で完結する10冊

「ハーレムでもなく、主人公最強でもなく、主人公マンセーでもなく、オタク主人公でもなく、パロディ無し」*1という条件を、「最近のラノベっぽくなくて面白い最近のラノベ」の要件として示したツイートが話題になっていた。そのツイートを中心として、下記…

『岩井俊二のMOVIEラボ』#4 ホラー編

フランケンシュタインの怪物やドラキュラや狼男がメインだった時代から、ゾンビとオカルトが登場して米国独自のホラー映画として発達し、さらに『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』からPOVが流行し、かつては怪談映画ばかりだった邦画が『女優霊』からJホラ…

『岩井俊二のMOVIEラボ』#3 ラブストーリー編

今回は個人的な興味関心から外れているかなと思いきや、MCの岩井監督が語る恋愛映画が初代ガンダム三部作という。 http://www4.nhk.or.jp/movielab/x/2015-01-22/31/19620/ ガンダムは恋愛物?障壁こそ、愛を盛り上げる?など、名作を例にとって恋愛表現の神…

『岩井俊二のMOVIEラボ』#1 SF編/#2 特撮編

岩井俊二監督を司会に迎え、技法やジャンルごとに映画の歴史をふりかえる情報番組。さらに各回のテーマにそって、映画スタッフの卵たちがスマートホンで撮影した、1分間の自主制作映画を講評していく。 http://www4.nhk.or.jp/movielab/ NHK教育の毎週木曜日…

『タイムスクープハンター スペシャル』お正月パニック!改暦大騒動

1873年の1月1日に太陰暦から太陽暦に改暦された。その時代に2015年1月のカレンダーをもちこんでしまったタイムスクープハンターが、失敗を修正しようと右往左往する。 1月1日22時に放映された50分SPを、1月2日の再放送を録画して視聴した。 現在より過去の時…

「江戸しぐさ」と「小笠原流礼法」の影響関係

前者を偽史で成立したマナーとして批判し、実際に歴史ある後者を推す意見を見かける。ひとつひとつを名指しはしないが、「“江戸しぐさ”“小笠原流”」といった単語で検索してみると複数ある。 両者の歴史についてくわしくはないのだが、たまたま別件で調べてい…

『タイムスクープハンター シーズン6』CODE:900220 リベンジ 敵を討て!後編

今シーズンの最終回は、通常放映で初めての前後編。前編では、普段はタイムナビゲーターの古橋ミナミ隊員と分担し、復讐する側される側の2視点で敵討ちの実態を取材する。その前編で兄が返り討ちにあったため、後編では10年後の妹による敵討ちが始まる。 予…

創刊時の逸話に見る、『少年サンデー』と『少年マガジン』の編集方針が異なった源流

『藤子・F・不二雄大全集 ロケットけんちゃん 1』の巻末解説で、小学館の元編集者の立場で梶谷信男氏が書いていた*1。 講談社と小学館は社風も違いますが、編集者のタイプも違います。叩き上げのプロフェッショナルでまんが家に厳しく、あれこれ注文をつける…

疑似科学(の一分野)が甘やかされている一例

個々人が別個の問題にもとりくむべきという話ではなく、疑似科学に歴史修正主義がふくまれることを理解するべきという話 - 法華狼の日記の補足として、はてなブックマークのコメントを具体的にとりあげる。 はてなブックマーク - apesnotmonkeys on Twitter:…

個々人が別個の問題にもとりくむべきという話ではなく、疑似科学に歴史修正主義がふくまれることを理解するべきという話

個人的には、歴史修正主義者でも疑似科学は批判できることを、全否定はしたくないと思っているが。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = …

「人間動物園」に言及したTVアニメがある

19世紀末の大英帝国を舞台とした、ゴシックホラーブラックコメディ人情劇『黒執事』。あくまでも執事という立場のパートナーと、とある貴族の少年がコントをくりひろげつつ、さまざまな事件を調べて、つきはなすように解決していく。 その第1期TVアニメ第22…

テレビ朝日版『ドラえもん』の誕生に高畑勲監督が貢献していた

『藤子・F・不二雄大全集 パーマン 7』を読んでいたところ、別紙壮一プロデューサーが巻末に寄稿していた。シンエイ動画のたちあげにかかわり、最近に退職するまで専務取締役までつとめていた人物だ。 もともと『ドラえもん』を制作するためシンエイ動画が生…