法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

1945年までに「国体」への忠誠を叩きこまれた日本国民に、江戸時代を記憶していた老人はいなかったのだろうかという疑問

終戦記念日にまつわるドキュメンタリーやドラマを見つづけていて、ふと疑問に思った。
戦前から戦中にかけて、おおかたの日本国民は天皇制を絶対視して、天皇を現人神として崇拝していたことになっている。
しかし植民地出身の「国民」はさておいても、幼いころには天皇の存在すら知らなかった老人もいるのではないだろうか?


とりあえず江戸時代の終わりを大政奉還と考えると、1867年のこと。それから1945年までは78年くらいだから、敗戦時に85歳くらいであれば物心ついたころは江戸時代だった人がいたことになる。
現在よりも寿命が短かった当時でも、それくらいの長寿なら存在しているはずだ。とりあえず首相経験者では西園寺公望が1849年に生まれて1940年に死んでいる。
しかし簡単に思いついた範囲では該当者が出てこなかった。私が思いつかないだけで、心情が記録に残っているような人もきっといると思うのだが。


もし天皇中心の国家が最近に作られたものと認識する人がいて、帝国が戦争に勝利しつづけるかと思いきや、最終的に大敗したことを見とどけたなら、同時代に何を思っただろうか。
進駐してきたマッカーサーを国民が心酔したように時代ごとの強者になびいただけだろうか。あるいは平家物語方丈記の書き出しのような心情になっただろうか。
そのようなことが、ふと気になった。