法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『タイムボカン24』はシリーズ構成の脚本が最もダメな気がする。

第8話はハチ公を題材とした第6話と同じく金杉弘子脚本。いつものようにダジャレでしかない「真歴史」を展開するだけかに見せて、シートンのいたニューヨークでドーナツが警官に消費されていたという真面目な豆知識を展開。さらに第5話のような競争劇へと移行する。
やはり「教科書の歴史」と「真歴史」を対立させるだけでは、歴史モチーフがダジャレのきっかけでしかなく、ギャグとしても薄すぎる。恐竜時代にとりのこされてからがギャグのメインだった第4話もそうだが、バカバカしい「真歴史」は早々と見せて、そこからさらに新しいギャグを展開していって、初めて素直に楽しめる。


これまでで楽しめなかった回をふりかえると、スピーディなのは導入だけだった第1話*1、第1話よりもライトだった第2話、タツノコネタを半端に引いた第6話、思いつきをならべただけのような第7話と、第6話をのぞいて加藤陽一脚本だ。
しかも第7話は、教科書の教えない真の歴史を描くギャグとして致命的な問題があった。コロンブスアメリカ到達を、発見などと表現しないところは良かった。しかし、コロンブスが新大陸を発見しようとしていたという前提が根本的に誤り。コロンブスは西廻り航路からインドへ行こうとして出発し、たどりついた大陸が別の地域とは考えていなかった。だからこそ、現地人を“インディアン”と呼んだのだ。
否定しようとする「教科書の歴史」が実際とは違うから、そこからダジャレで新大陸ならぬ新体操を発見したというギャグを展開しても、ちっとも感心できない。比べると第6話は、否定しようとする歴史を調べた形跡が物語からうかがえた。いくらギャグで切りすてる番組コンセプトとはいえ、ちゃんと型をふまえて型を破ってほしいものだが。