法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『怪談レストラン』怪談レストラン/キキーモラ人形/行ってしまった女の子

レストラン風にオムニバス小品を提示する形式のホラーアニメ。「怪談レストラン」が前菜、「キキーモラ人形」がメインディッシュ、「行ってしまった女の子」がデザートという趣向。


スティッチ! いたずらエイリアンの大冒険』と合わせて、火曜日19時からテレビ朝日系列で放映開始されたアニメ。アニメが次々に深夜や早朝へ撤退する中、ゴールデン全国枠での新枠アニメが放映されるだけで嬉しい。
制作は東映アニメーションで、スタッフは『ねぎぼうず あさたろう』*1から一部スライド。その流れで、アニメとは関係なく怪談の仕事を行っているような角胴博之らもローテに入る様子。となると、『墓場鬼太郎』の地岡公俊らが参加することも期待できる。ホラー演出が最も巧みな東映関連演出家の一人、山内重保が参加したりすれば、さらに嬉しいのだが。
作画では、東映アニメでは珍しくスタジオダブが協力し*2、初回では高橋晃が作画監督。原画には稲上晃他、ED担当者混じりだろうが、初回なりに力が入り、スケジュールが悪いという噂の割りに整っている。


さて、初回は主要キャラクターや番組フォーマットを紹介するにとどまり、あまり怖さは前面に出てこない。
そもそも1時間番組枠だったため終了時間が早く、実質20分ほどしかない。それで3作も詰め込むオムニバス形式では、テンポが良い代わりに恐怖を生む「間」もない。せいぜい登場人物の語る百物語として処理された「行ってしまった女の子」が、ぶつ切りの結末で後味の悪さが強調され、印象に残った程度か。
池田洋子コンテは特に良くも悪くもなかったが、俯瞰や引きを多用した客観的な構図でモダンホラーらしさを感じさせたり、霊につかまれたアコの足を映す主観映像がビスタサイズを活かしていたり、意欲は感じた。演出の幅を初回から広くしているので、スタッフが乗ってくれば名作に化けるかもしれない。ダジャレではなく。

*1:東映アニメーションの税金対策とも噂されるほど力が入った傑作と聞くが、未見。

*2:『あさたろう』の前々番組『ガイキングLOD』からの流れはある。