法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-18 悪意の矛先

〜しかし『銀魂』から続けて見るべきではないな〜
今回は面白かったし、よく物語を作っていた。
戦場を遠い世界と思っていた者の悲劇は、珍しくない展開ではあっても、以前の描写全てが前振りとして作用していた*1
末端兵士の暴走で悲劇が生まれるという展開も、普通なら安易と思う。しかし今回は、被害者が資産家なため憶測を立てられるという描写があり、むしろ何ら動機がない虐殺という描写に意味がある。レギュラーキャラクターの暴走なので、その人格を形成した過去が今後に描かれる可能性も高いだろう。


ガンダム勢力が旧ガンダム勢力から情報を盗用している別組織かという示唆、そして前回の情報隠滅処理が内通者を利用したものという示唆も、意外かつ、つじつま合わせとして悪くない。
前回の、わざわざ新旧が対面した描写は無駄な展開だと思っていたが、同根の組織と信用させる作内外に対する引っかけということであれば巧いと思える。
グラハム部下の黒人パイロットは今回になって含みのある演技がつけられているが、直球すぎて逆に怪しくない。技術者のビリー・カタギリが内通者だとすれば、内部情報を簡単に過去の知人へもらした描写など、色々と説明つく部分が多いが……


作画では、大貫キャラ作画監督の修正が行き届き、画面が整っている。西井メカ作画監督独特の煙エフェクト作画も堪能できた。
アバンタイトルの派手な戦闘から、空間を活かした空中戦、最後の邂逅と、メカ戦闘自体のボリュームがある。3話前と違って鹵獲目的の消耗戦でもなく、個々の戦闘に決着がついているので満足感も高い。


それにしても、ガンダム勢力のテロ活動に嫌悪感を持つ主人公達の描写を、矛盾と考えるような感想をネットで多く見かけたのは不思議。
対象を限定したテロ活動と、民間人等をふくむテロ活動を区別するため、わざわざ「無差別テロ」という言葉があるくらいだろう。IRAの歴史等を見ても、同じ目的を持っていてさえ対象範囲について意見の齟齬があるのは、きわめて自然と思うが……

*1:今回の伏線としてだけでなく、個々の回にドラマとして組み込めていれば、なお良かったが。