法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダムAGE』第20話 赤いモビルスーツ

物語はさておいて見所があった、と思えるほど作画が素晴らしかった。大塚健メカ作画監督に、原画にまさかの田中宏紀
特にメカアクションが充実。アバンタイトルの試験飛行でゼハートが激突する描写も、破損する様子をていねいに描写。そうしてゼハートの能力に機体がついていけていないことを見せた後、新しい機体が登場、ゼハートが搭乗して主人公にいどむ。
ゼハートとアセムの一騎討ちにいたる段取りもしっかり。量産機戦も簡単に撃破せず、協力して戦うような一手間を入れている。ウルフも3機がかりで戦場から遠ざけられているので、弱体化して見えない。ウルフが隕石群を障害物として利用する描写があることで、同様に障害物として利用しようとした敵をガンダムが撃ち抜く描写で性能差も際立つ。
そしてアバンタイトル同様にCGを活用した隕石群をゼハートがすりぬけ、新機体の能力を視覚的に強調、そのままガンダムと戦闘を始める。カットごとに描線が細くなったり、空間の動きを感じさせる板野サーカス*1な追撃をしたり、イナズマキックをかましたりと、見ているだけで楽しめる分量と質の変化があった。


ゼハートがアセムを完全に見逃すところだけ、さすがに「司令官」として甘すぎるかなと思ったくらい。AGEシステムの位置を知って奪いにきているのだから、今回の戦闘で抜き取って次回からシステム争奪戦になるとか、それは無理でも今回の戦闘でAGEシステムの位置情報を得たとか、戦闘によって個人のドラマだけでなく大状況への変化も生んでほしかったかな。
とはいえ、本当にメカアクションとして多少のツッコミどころは気にしないでいられるほど満足できた。

*1:原画陣を見る限り、たぶん田中宏紀だと思うが……