文句がないわけではない。
まず、回想を多用して物語を進める手法自体が好きではない。回想演出にも工夫が見られない。さらにコンテが説明的で、理解不能な場面がない代わりに情緒も足りない。作画に破綻はなくアクションでは光るものすら感じたが、背景美術が全体的に弱い*1。
しかし、今回から描写が緻密になったわけでもないが、作品のリアリティレベルがだいたいわかってきたため、引っかかることなく話に入っていけた。言葉による説得で済まさず、ちゃんと作品独自の設定を用いて、チームが再結成する動機を映像で描いたのが好印象。対立チームの優秀さも、敗因を分析して対処する姿で印象づけられる。
個人的には、実質的に主人公達は一度も戦っていないという趣向も楽しかった。無職になって妻にも逃げられた父親の、自分を見つめなおすと称して鉄道模型に興じる姿にいたっては、色々な意味で容赦がなさすぎて苦笑い。……子供向けアニメとして、どうかとは思ったが。
*1:瓦の形状等、建造物の美術で韓国文化の影響が抜けきれていないためだろうか。様々な文化や人々が同居する遠未来世界を描きたいだろう部分と、日常的な部分で齟齬を感じる。
