羽多野浩平が演出として初参加。ノイタミナの中村健治監督作品で東映とコネクションができたのか。福世孝明と柳瀬雄之が作画監督に入っているのも東映作品では珍しい。他にも原画に安藤正浩がいたり、今回はスタッフワークからして面白かった。
本編も、原典のメインキャラクターが登場する回らしく力が入っている。
仲間と協力して戦う前半で敵の強さを印象づけ、仲間が石化した後は一人で戦い抜くことで龍峰の折れない心の強さも表現される。敵を倒せた理屈も少年漫画としては充分な説得力があった。
敵星座との因縁や天秤座の特徴で、原典との関連性も強調されていた。
アクションは作画が良いだけでなく、対峙する敵味方をロングショットの逆光で描く演出を多用し、背景の巨大な滝を印象づけつつ省力するような技法が効果を上げていた。
さらに風景が重要な回らしく舞台に3DCGを多用し、背景美術も普段と気候を変えていて、いかにも中華の渓谷らしい雰囲気を出している。
敵がやられる場面で車田正美らしいカットを使ったりと、映像でも原作リスペクト性が高かった。
……しかし、メインスタッフよりゲストスタッフ回で原典から引いた要素が多いのはどうなんだろう。