出崎統監督によるOVA『ブラック・ジャック』から「マリア達の勲章」「サンメリーダの梟」を紹介しようとしていて、比較のため原作にも目を通した。昔から何度も読み返していた作品であり、こんな機会がなければ手持ちの単行本を引っぱり出したりはしなかったのだが……
そうして何の気なしに奥付けを見ていたら、これ初版じゃないか!*1 親戚からもらったものなので、長いこと気づかなかった。どちらにせよ売る気はないが、もう少していねいに保存するべきだった。もともと日焼け等で保存状態が好くなかったため、適当に本棚へ詰め込み、カバーが破れたりシミができたりしている……
マンガ好きには有名な話だが、手塚治虫は作品を雑誌から単行本に収録する際に内容改変することが多い。加えて『ブラックジャック』は、単行本が版を重ねる際にも問題が指摘された描写を直したり、収録を見直したりして、もともとの物語を読むことが難しい作品だ*2。
初版でしか味わいにくい話が収録されているのに、単行本をもらってから長いこと価値に気づかず目を通さなかった自分に、腹が立ってしかたがない、という話。