〜『ルパン三世』かいな〜
ゼロの中身に意味がない云々の前フリがあったから、オチの理屈は得心がいく。レトリックとして巧いし、ドラマとも融合している。2期に入ってから書き込めていなかったスザクの心情を補足する描写になっていた。
必要な道具を持ちこめた経緯については、多人数ゆえに身元確認をしていない事情が先に語られ、あえて暴動させて粛正の口実にしたがっている様子まで描写されていたから、納得はできる。
しかし、百万人も動員して情報漏洩がなかったことは、さすがに気になった。主要構成員を除いた百万人全員へ心理操作をかけた描写でもあれば、少しは自然だったのだが。
また、いくつか体型を隠し切れていなかったり色調が異なっていたりするように個性を表現したくらいなのだから、集まった日本人の幾人かが特別行政区に残っても良かった。百万人全員という絵のハッタリを優先しすぎていた感がある。扇以外でも群集の描写として、残る日本人との別れを描けたと思うのだ。
しばらく日本を離れるらしい展開は、少し前にも書いたが*1望むところ。監視されたままの学園ドラマが窮屈すぎて、不自然に感じることが多くなりすぎていた。……それで次回がいきなり特別番組なことにはひっくり返ったが。