法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

迷ってばかりの人生であっても

録画したまま放置していたドキュメンタリーを消化中。今はNHKの『証言記録 兵士たちの戦争』を連続視聴。戦術的に勝利しても戦略的に何の意味もなかった大移動作戦、無謀な突撃をくりかえして心身ともに消耗して死者の肉すら食らった人々、敗戦の情報を受け取れないままソ連軍と2週間も戦い続けて死んだ兵士。正月早々に重い澱が胃へ溜まっていくようで、全く頭がついていかない。感想もまだ整理できない。
しかし深夜とはいえ、公共放送の全国地上波で実名による証言多数が流れたことには、少しばかりの感慨があった。この気持ちは、昨年12月に『NEWS23』で南京事件証言者を取り上げていた時も感じた。戦争の歴史を調べると、戦争犯罪を証言できないでいたために抱えた心情の重さをよく読む。証言すること自体の様々な障害も知る*1。それだけに、語る機会を持たせられたことは、戦後に生まれた側としても良かったと思う。


正月の喧燥に距離を置き、あるいは皮肉るのも一つの正しい身振りだろう。
ただ、重い口を開かせるほど時間がそれなりに傷を癒し、忘却ではなく記憶でもって過去に向き合えるようになるなら、生きて一つ年を取るのも、そう悪いことではないかもしれない。人生経験を積んでいないなりに、そう思えた。


あけましておめでとうございます。