先週から監督とキャラデザイン*1が変更。いかにも『結界師』全国区放映打ち切りを受けた急造作品らしいあわただしさだが、同一原作を短期間に別スタッフが映像化する差違が見て取れて楽しい。
今回は『ワンピース』でシリーズディレクターをつとめた経験もある宇田鋼之介監督。作品全体で見ると『ワンピース』より、前回監督の伊藤尚住による『デジモンセイバーズ』の方が良かったが、個別に演出を担当した回を見ると伊藤監督より宇田監督が技巧にたけていた。シリーズ全体に目を配る能力と、演出する能力が違うためだろう。今回のように監督が全体を担当するような作品では、宇田演出の方が楽しめる。
回想カットのほとんどを、荒れたフィルム調の止め絵で処理し、動かすべき部分の密度を上げる力の配分が巧い。結末に時間を配分するためミステリパートがおざなりだった前回とは逆に、終盤が少し駆け足になったのは残念だが。
キャラデザインは真庭秀明。人物に微妙なアオリが入ったレイアウト、蝶番のように開く口*2が特徴的。『ワンピース』『交響詩編エウレカセブン』作画監督でついたクセに見える。
東映系アニメーターとしては例外的なくらいに作画良好な作品で活躍していただけあって*3、作画的に充実。破綻のないレイアウト、修正が行き届いた画面、動きも良い。キャラクターデザインは原作の絵柄と似てなく、恐怖描写をするには健康的すぎたかもしれないが、一つのアニメ作品としては完成度が高い。