法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-7 報われぬ魂

〜意外と小悪党臭いアリー〜
アリーと、主人公の刹那。かつての上下関係が示され、第1話アバンタイトル演説が刹那が少年時代の所属組織によるものらしいとわかった。しかし、まだアリーと主人公の関係性は臭わせるにとどまり、結局のところ主人公勢がソレスタルビーイングに入る経緯は不明なままだ。個々の性格付けはわかってきたものの、特異すぎる組織にいる主人公勢へ感情移入することはまだ難しい。
ただ一つ、判明したこともある。ソレスタルビーイングの構成員が、世界を敵に回すために厳選されていると思えず、作中人物からも突っ込みが入っていたが……なるほど、作中でも選定理由が不明という設定なら、とりあえず受け入れるしかない。後々に明確な理由は示してほしいところだが。


ガンダムの勝利が政治的に利用される展開は第4話の駄目押し。ガンダムが怪獣映画における怪獣の役割と考えればわかりやすい。
加えて今回は、ソレスタルビーイングへ反発するように不明瞭な組織が動き出すという引き。“もしソレスタルビーイングのような組織が現れたら?”というシミュレーションの1回答として興味深かった*1
平和を求めての軍事介入によって、むしろ世界全体に軍備増強の流れが生まれる様子と、それを予測しつつも行動を続けざるをえないらしい*2逆説的な痛さが前面に出た、良い引きだった。


キャラ作画監督千葉道徳、メカ作画監督大塚健、原画に渡部圭祐と、スタジオへらくれすメンバーがそろい、作画的には充実。戦闘シーンは前半に集中していたが、後半の人物芝居も悪くなかった。
終盤のテロで、路地に流れる煙をCGで表現していたのが目新しい。

*1:個人的に似ていると感じて何度か比べた『DEATH NOTE』で、“L”が登場した時に近いゲーム的な楽しみもあった。

*2:全ての対応プランが悪い結果を生むことに悩む様子を、以前の話で描写していたことが活きてきている。