NHKドキュメンタリーによるケータイ小説の評。作家であり写真家でもある藤原新也氏の目線から、かなり好意的に評価していた。
NHKでは前にも『クローズアップ現代』でケータイ小説を言文一致体ととらえて高評価したことがあった*1。擬音や記号の多用、語彙の少なさ等、文章的に稚拙と評価されやすい特徴が多く見られるケータイ小説を、最も日本語に厳しいNHKが評価するのは興味深い。
今回は、実話もしくは作者の心象が素直に出ている作品として、ケータイ小説をとらえていた様子*2。作者の男が自殺した恋人のために橋で線香をそなえる場面まであった。
この、現実の悲劇を癒す効果としての小説という構図から『天国からのラブレター』を思い出してしまった。一連の実話を基にしたという触れ込みのケータイ小説が、モデルのプライバシーにどれくらい配慮しているか。……この点、番組ではあまり触れられなかったのが残念*3。