法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ペットはこいのぼり/チョージャワラシベ

ドローン撮影に、ドラえもんのび太の後ろ姿とコメントをつけた「タケコプターで見にいこう!」というコーナーが開始。外出できない新型コロナ禍のなかで視聴者を少しでも楽しませるための企画か。
思えば、少し前までの藤子不二雄ミュージアム木村昴が紹介したコーナーも、宣伝だけでなく疑似旅行的な楽しさを提供しようとしていたのかもしれない。


「ペットはこいのぼり」は、スネ夫が高級な鯉のぼりを自慢する。しかしいつものメンバーの横にいた幼い少年が、泣いて去っていった。鯉のぼりを飾れない家に住んでいるのだ……
2005年リニューアル以降に初アニメ化。コンテとして、平池芳正が初参加。かつてGONZOで演出家として育ったが、現在はサテライト所属。
原作は短めで、秘密道具で疑似育成を楽しみ、小さな子供の夢をかなえてやるだけのシンプルな内容。その尺をふくらませて、いつもの子供たちが協力して年下を助けてやる感動的なドラマを展開した。
特に、原作では自慢から逆ギレして鯉のぼりの親を提供するだけのスネ夫が、餌の柏餅の提供から子供の家へ鯉のぼりを移動させるまで協力する。風雨にさらされて、雲の上に上昇するドラえもんがかっこいい。
たまたま今回は序盤にテロップで菊池俊輔の死去が流れたが、その追悼とも感じられるストーリーになっていた。


「チョージャワラシベ」は、2019年作品の再放送。劇場版の制作はさすがに終わっているだろうし、新型コロナ禍による政策逼迫が今もつづいているのだろうか。
hokke-ookami.hatenablog.com

国家が加害者としての態度を問われた時、被害者へ配慮しすぎたなどと踏みつける必要がどこにあるのか

米中が日本に「踏み絵」をせまるという表現を、どの報道もタイトルで使いがち - 法華狼の日記

想像するに、「踏み絵」は歴史的に宗教弾圧のため権力者がつかったことから、選択を強要される理不尽さそのものをにおわす表現として好まれるのではないだろうか。

上記エントリで書いた傾向に気づいたのは、「Aceface@Aceface4ever」氏が朝日記事について下記のようにツイートし、いいねやリツイートを集めていたため*1


受け身の菅氏 米中から「踏み絵」迫られる恐れも:朝日新聞デジタル https://asahi.com/articles/ASP4K3HFRP4KULZU001.html 「受け身」と書いてるが、仮に積極的にアメリカとの対中同盟強化に菅が乗り出したら、そのときは「前のめり」と書くんだろうな
「米中から踏み絵」というが、香港や新疆の人権問題は朝日も社説にしていた。朝日は中国が台湾に武力で侵攻するとき、日本は座視すべきと思っているわけではあるまい。朝日はそんな中国が日本に「踏み絵」を迫る資格があるのかどうか問いかけるべきだろ

しかし上記エントリでならべた記事からうかがえるように、どちらかといえば中国に批判的な記事でも「踏み絵」をせまるという表現をつかっている。
社説どころか「Aceface@Aceface4ever」氏が言及している朝日記事そのものでも、まさに中国の少数民族への人権抑圧が言及されている*2。むしろ日本だけ制裁しないことを「踏み切っていない」と指摘しているくらいだ*3

日本にとって中国は最大の貿易相手国。新疆ウイグル自治区への人権抑圧で、欧米が対中制裁を科すなか、主要7カ国(G7)で日本だけが制裁に踏み切っていない。日本政府・与党や財界には、最大の貿易相手国である中国との協力関係を維持すべきだとの声も根強いだけに、米中の間でどう日本がバランスをとるのか注目された。

「踏み絵」という表現は、選択をせまる力関係を認めているだけで、資格を認めているとは限らない。
たとえば「温暖化」のような単語と「踏み絵」で検索すると、なかなか記事が見つからない。上位ページでは、まったく別個の記事でとりあげているメディアが、検索エンジンの仕様で引っかかるばかり。


そういう「Aceface@Aceface4ever」氏も2013年のやりとりで、慰安婦記念碑を拒絶する時に「踏み絵」と表現していた。相手に資格がないと思える問いかけを、そう表現できると知っているのだ。


慰安婦の像」に対して怒ったり、傷ついたりする気持ちがいまいちよくわからない。韓国人活動家の主旨には共感できないけど、クインテロ市議のストーリーには乗っていいんじゃないかと思う。人権侵害が行われたのは間違いないんだから。


@micungengyi
アメリカ人が残虐行為を批判したり、世界平和を願うための銅像を造るなら、地球の裏側で起きた70年前の(なおかつ法的に解決済みで、加害者が謝罪もしている)話をネタにする必要はない。米兵に拷問されているアブグレイブイラク人の銅像でも造ればいいと想われ。


@micungengyi
こうした政治的パフォーマンスを踏み絵として日本に迫るやり方は、当然日本では反動を生み出すわけで。日本での嫌韓歴史修正主義の台頭は、韓国への配慮の不在が生み出したのでは無く、その過剰が生み出したものだと思います。

これは典型的な「そっちこそどうなんだ主義」*4にすぎない。そもそも国家的犯罪による犠牲の記念碑を第三者国に建立する活動は、日本も、日本でも、おこなわれてきた。それらも作られるべきではなかったというのか。
hokke-ookami.hatenablog.com
毎日新聞の米村耕一氏とのやりとりは以降もつづいていて、下記Togetterにまとめられていた。しかし「いい加減」な認識で日本の加害を矮小化するばかりで、あげくに安倍晋三氏の責任を「左派とリベラル派」へ転嫁している。
togetter.com


@micungengyi
今朝のCNNでもやってましたが、「日本側の論理」としては取り上げられるたのは安倍のいわゆる"妄言”。日韓基本条約アジア女性基金もスルー。米メディアの日本報道なんてとんでもなくいい加減なので、僕にはそんな期待は持てないですね。


@Aceface4ever でも、そういうストーリーにしやすい素材を日本側が提供してきちゃったためでもあるんじゃないですか。これ以上、そういうバカなことをやめて、ダメージコントロールに専念すべきだと思います。それが無理なら、怒っても状況は今より悪くなるだけ。


@micungengyi
うーん、日本側がそういうストーリーを提供してきたのは左派とリベラル派にかなり責任があるとおもうけどな。河野談話がなければ、今のゴタゴタはなかったし、2002年のW杯共催がなければ、嫌韓も今より小さかったと思う。

日韓基本条約は日本軍慰安所制度の被害者へ補償や謝罪をおこなったものではなく、それを法的に不可能にするよう権力者が決めたことだ。歴史的な犠牲の記憶は、国家間で法的に問われなくさえすれば忘却していいという性質のものではない。
あくまで半官半民のアジア女性基金を「日本側の論理」のひとつにもちだしつつ、より政府に近い「河野談話」を否定しているところも、「Aceface@Aceface4ever」氏自身が過去の謝罪を無効化したがっているとしか思えない。


それ自体が長年の否認の代償*5であり、相当の妥協の産物*6でもある河野談話ですら配慮のいきすぎと主張するのであれば、そこに「安倍のいわゆる"妄言”」との大きな違いは見えない。
さらにいえば、少数民族に対する配慮の過剰を中国の一般人も少なからず主張しているらしいこととも*7、大きな違いが見えない。それでどうして中国政府を批判できるのか。
「Aceface@Aceface4ever」氏は、踏むことを求められていないものを、わざわざ踏んでいる。その足元にあるのは、絵ではない。

*1:ツイートを見かけた後日に元記事を読もうと思って検索したことで気づいた。ちなみにid:Donoso氏のリツイートで知った。

*2:さすがに朝日は「中国が台湾に武力で侵攻する」という仮定を根拠に中国へ資格を問うようなことはしていないが。

*3:直後に出てくる「バランス」は朝日新聞の意見ではなく、朝日新聞が観測している「日本政府・与党や財界」の意見であることに注意。

*4:hokke-ookami.hatenablog.com

*5:朝日新聞のスクープした軍関与資料は、それ以前に日本政府が関係性を全否定していたことが衝撃を大きくした。 hokke-ookami.hatenablog.com

*6:河野談話それ自体の問題ではないが、日本政府の継承において以降の新発見資料の反映などがなされていない。

*7:その背景や主張の発信には中国政府が介在しているにしても、一方で日本の一般人もまた政府の見解や広報から影響を受けているものだ。

米中が日本に「踏み絵」をせまるという表現を、どの報道もタイトルで使いがち

ひとつの記事について少し書こうとして気づいたのだが、簡単に検索するだけでこれくらいは見つかる。
diamond.jp
premium.toyokeizai.net
business.nikkei.com
gendai.ismedia.jp
jbpress.ismedia.jp
www.asahi.com
全体の印象としてはメディアやライター*1の立場などに関係なく、価値中立的な決まり文句として多用されている。
想像するに、「踏み絵」は歴史的に宗教弾圧のため権力者がつかったことから、選択を強要される理不尽さそのものをにおわす表現として好まれるのではないだろうか。

*1:タイトルは編集部がつけることも多いが。こちらのNHK記事のように「米中のどちらからも踏み絵を踏まされているように感じる」という声をひきつつ、タイトルでは「踏み絵」をもちいていない例もある。 www3.nhk.or.jp

「従軍慰安婦」という表現をつかわないのはいいのだが、閣議決定の根拠には大いに問題あり

従軍慰安婦」や「強制連行」といった歴史用語について質問した維新の会の馬場伸幸氏に対して、「慰安婦」という用語が適切と答弁したという。
「従軍慰安婦」表現は不適当 「強制連行」も 政府答弁書 教科書は使用 - 産経ニュース

答弁書では、平成5年の河野洋平官房長官談話で用いられた「いわゆる従軍慰安婦」との表現に関し「当時は広く社会一般に用いられている状況にあった」と説明した。ただ、その後に朝日新聞が、虚偽の強制連行証言に基づく報道を取り消した経緯を指摘した上で「『従軍慰安婦』という用語を用いることは誤解を招く恐れがある」とし、「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切だ」と明記した。

 政府が現在も河野談話を継承していることが根拠となっており、表現の在り方をめぐり政府内で食い違いが生じる形となっている。

国際的に不充分と批判されている日韓合意だが、河野談話を撤回しない状態で「今回の発表により,この問題が最終的かつ不可逆的に解決される」*1と発表したこともたしかだ。
範囲外の第三者国でまで表現を抑圧するため合意をもちだしている日本政府が、今さら不可逆な合意の撤回を主張するのだとしたら、ある意味で興味深いふるまいではある。


馬場氏の質問と政府の答弁は下記ページの97番と98番で確認できるが、当然のように政府見解にも歴史学にも反した内容になっている。
www.shugiin.go.jp
たとえば「平成四年の政府調査等では、慰安婦に関して軍や官憲による強制連行を直接示す資料は見つかっていない」という前提で質問をはじめているが、その時点でも日本軍が女性を直接的に連行*2したスマラン事件の資料を日本政府は把握していた。
hokke-ookami.hatenablog.com
また、「あたかも女性たちが強制的に連行され、軍の一部に位置付けられていたとの誤った理解を日本国内のみならず国際的にも与えてしまっている」というが、「従軍記者」や「従軍牧師」のように「従軍」は強制を必ずしも意味しない。
むしろ自発的な印象すらあるために、被害者側から「従軍慰安婦」という表現をさけてほしいという意見も出るくらいだ。さらには「慰安婦」という当時つかわれていた言葉も、実態を正確にあらわさないことから拒否する意見がある*3
wam-peace.org
逆に、慰安所が「軍の一部に位置付けられていた」ことは誤った理解などではない。永井和氏の発見した「野戦酒保規程」において、慰安施設が陸軍の設営対象に組みこまれていたことが判明している。
nagaikazu.la.coocan.jp
一方で意外なのが、質問では「従軍慰安婦」という言葉が1973年の千田夏光従軍慰安婦 “声なき女”八万人の告発』から広まったと認識していること。そもそも馬場氏の質問には朝日新聞が登場しない。
答弁が言及したという朝日新聞の撤回記事は1980年以降であり*4、時系列から見て関係あるはずがない。それらの撤回理由も「従軍」という表現とは関係ない。なぜ答弁で朝日新聞が登場したのか疑問が深まってしまった。


そこで答弁書を見たところ、「大手新聞」と記述して「朝日新聞」という表現をさけつつ、検証と撤回をおこなった文脈で暗示していることがわかった。

政府としては、慰安婦が御指摘の「軍より「強制連行」された」という見方が広く流布された原因は、吉田清治氏(故人)が、昭和五十八年に「日本軍の命令で、韓国の済州島において、大勢の女性狩りをした」旨の虚偽の事実を発表し、当該虚偽の事実が、大手新聞社により、事実であるかのように大きく報道されたことにあると考えているところ、その後、当該新聞社は、平成二十六年に「「従軍慰安婦」用語メモを訂正」し、「『主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した』という表現は誤り」であって、「吉田清治氏の証言は虚偽だと判断した」こと等を発表し、当該報道に係る事実関係の誤りを認めたものと承知している。

この答弁で「従軍」という言葉をつかわない理由になる意味がまったくわからない。前後を読んでも、「従軍」という言葉と「強制」をむすびつける説明が存在しない。
それどころか馬場氏が指摘した千田夏光著作へのはっきりした回答すらない。さすがに今の日本政府が維新の会より不正確な歴史認識閣議決定するとは思わなかった。
また、「見方が広く流布された原因」が撤回されたとしても、その見方そのものが撤回されたことを意味しない。他にも根拠があって妥当性が認められているならば、たかだか一証言一新聞*5の撤回で歴史認識はゆるがない。
「大きく報道された」という認識は主観なので難しいところだが、少なくとも朝日新聞では吉田清治証言が一面で報じられたことはなかった。一方で先述のスマラン事件は夕刊一面記事になったことがある。「見方が広く流布された原因」よりも「大きく報道された」事例が存在し、それを否定する意見は存在しない。


はてなブックマークでは批判コメントが多いが、見当はずれに日本政府を擁護したいかのようなコメントもいくつかある。
[B! 歴史修正主義] 「従軍慰安婦」表現は不適当 「強制連行」も 政府答弁書 教科書は使用 - 産経ニュース

id:aruzentina慰安婦」「徴用」を教科書に記載するなら、同ページに吉田清治朝日新聞による捏造であることを記載する義務づけをしろ。実効が伴わない答弁に意味はない。文科省左巻きに好き勝手させるな。

時をかける朝日。

id:oktnzm 談話時点で"いわゆる"つけてんだから不正確である認識があったのは当然。つけない場合の不適当さを明示しただけの話。"強制連行"は労働者の話なのに勘違いしてる連中にはあきれる。記事一本もまともに読めないのか。

「いわゆる」は、一般的には世間に広まっている表現という意味であって、不正確という認識とは限らない。
また、記事の引用にあるように答弁は朝日新聞の「強制連行」撤回*6を主張しているし、馬場氏の質問にも強制連行が出てくる。

id:hdampty7従軍慰安婦」なんて言葉は当時はなかった。歴史修正主義はどっちだって話。左派だけでなく右派の活動家の利権にすらなり始めた昨今、「従軍慰安婦問題」問題を語るべき。

当時なかった言葉をつかってはならないなら、歴史教科書の大半が書きなおされることになる。「鎌倉幕府」のような言葉もつかえなくなるのだが。


ちなみに馬場氏の「強制連行」についての質問は、辞書を引用して言葉の厳密さを求めているようでいて、明らかな欺瞞がある。

そもそも「連行」とは、主要な国語辞典において、「犯人を連行する」というような形で使用される語として書かれており、例えば、岩波国語辞典(第八版、岩波書店)では「人を引っ張るようにしてつれていくこと。」、大辞泉(第二版、小学館)では「本人の意思にかかわらず、連れて行くこと。特に、警察官が犯人・容疑者などを警察署へ連れて行くこと。」とされていたり、また法令においては、例えば警察官職務執行法における「連行」という言葉は、相手の意に反し、有形力を用いて警察署などに同行させる行為などを指して使われていたりするなど、一般的には極めて強い意味合いのある言葉と言える。こうした表現を用いることは不適切きわまりないと考えるが、政府の考えを問う。

なぜ「強制連行」で質問しているのに「連行」の辞書をひくのか。馬場氏や部下は質問のために調査して、思い違いに気づきながらごまかしているのではないだろうか。
実際には「強制連行」もしくは「朝鮮人強制連行」自体がひとつの歴史用語であり、「徴用」に限定しない意味が複数の辞書で確認できるのだ。
強制連行とは - コトバンク

日中戦争の激化に伴う労働力や軍要員不足を補うため,日本が敗戦まで国策として行った朝鮮人,中国人の大規模な強制的労働力の動員。1938年の国家総動員法,1939年の国民徴用令に基づき日本内地,樺太,南方方面に投入,内地では炭鉱・鉱山,軍事工場,土木などに多く配置された。

日本は国策として朝鮮人,中国人を日本内地,樺太,南方の各地に投入したが,駆り集め方が強制的であったためこう呼ばれる。38年4月には国家総動員法が,翌年7月には国民徴用令が公布され,日本の内外地における労務動員計画がたてられた(〈徴用〉の項参照)。

朝鮮人強制連行とは - コトバンク

1939年国民徴用令が実施され,朝鮮においては「募集」という形式で準用された。1939年に 1万人あまり,翌 1940年に 10万人近くが動員され,炭鉱,鉱山などで重労働に就役した。1941年後半には計画の拡張が決定され,翌 1942年に 10万人あまり,1943年に約 20万人,1944年に約 40万人が動員されたとされる。同 1944年9月からは国民徴用令が朝鮮にも直接適用された。

初めは炭鉱・土木など会社による募集の方式だったが,1942年から朝鮮総督府下の「官斡旋」方式になり,'44年から国民徴用令が適用された。

朝鮮人強制連行問題とは - コトバンク

1939年から1941年までの朝鮮における募集は「自由募集」で、日本本土の企業から派遣された「募集人」によって行われた。1942年以降は、「自由募集」にかわって「官斡旋」となった。1941年「昭和16年労務動員実施計画による朝鮮人労務者の内地移入要領」によって、地方行政機構が労務動員に協力することになったのである。

そしてこれらの用語説明を読んでのとおり、たとえ日本軍が直接的に女性を集めなくても「強制連行」という表現はつかえるのだ。
つまり「従軍慰安婦」についての馬場氏の質問は辞書を引けば根底から崩れるわけだ。

*1:www.mofa.go.jp

*2:そもそも後述のように「強制連行」には広い意味があるわけだが。

*3:そのこともあり、私個人としては「従軍慰安婦問題」という争点をあらわす用語のみ意識的につかい、被害当事者をそう表現することはさけている。

*4:www.asahi.com

*5:他の複数の新聞も証言を報じた事実を無視していることで、逆に証言の影響力を矮小化することになっていることが皮肉だ。もちろん国際的には通用しないわけだが。

*6:正確には朝鮮半島におけるひとりの加害証言を撤回しただけで、実際には「強制連行」という言葉の意味が広かったことを検証で提示している。

全国行脚ノーマスクパレード実施の光景にめまいがしている

新型コロナを茶番と考えている民間人が、全国同時ノーマスクピクニックを呼びかけ*1、多くの批判をあびて中止してから1週間。
「ノーマスクピクニック」全面中止 「誹謗中傷で身の安全考慮」 | 毎日新聞

主催者は20日、全面中止するとウェブサイト上で発表した。

 理由について「予期せぬ形での拡散・報道により、個人的な誹謗(ひぼう)中傷なども多く見られたため、参加者の身の安全を考慮した結果、今回の企画においては全面中止とさせていただきます」としている。

イベントを巡っては、新型コロナウイルスの感染を広げるなどとしてツイッター上で批判が殺到していた。しかし、不安を訴える周辺住民や突然の開催に困惑する自治体関係者に対する説明や謝罪はなく、ツイッターに書き込まれた反対意見や疑問に直接答えるメッセージもなかった。

しかし一ヶ月ほど前から、日本全国でノーマスク集団が組織的に走っている光景は賞賛されている。
東京五輪の「希望の火」が25日、福島県から静かに…:聖火、希望込め静かに:時事ドットコム

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第一走者「なでしこ」メンバーに大きな拍手…聖火リレー、福島をスタート : 東京オリンピック2020速報 : オリンピック・パラリンピック : 読売新聞オンライン

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<速報>聖火リレー2日目第5区間・福島市で菊池桃子さんが聖火ランナー | 福島民報

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雨の中、希望つなぎ快走 聖火リレー県内2日目:中日新聞Web

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さすがに警護スタッフなどがマスクする姿なども確認できるが、しかしここまで集団でマスクをせずに走ったり*2、関係者が距離をつめている光景を肯定的に報じる記事が集まるとは思わなかった。
興味がなかったので、実際に聖火ランナーが走りはじめるまでは、マスクをしないにしても周囲から距離をとってひとりで走るのだろうと思っていた。感染が問題になるのは沿道の応援くらいで、そこはTV中継などで解決するのだろうと楽観視していた。もちろんスポンサーのスタッフがランナーの前後を走ることも知らなかった。
こうした官民連携のイベントこそ新型コロナ禍を軽視させかねないし、その象徴たる聖火ランナーそのものが茶番めいている。

*1:sites.google.com

*2:一応、ソーシャルディスタンスの2mはあけて走っているように見える写真もあるが。