法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ダイアリーからブログへの移転、一応は完了

1月28日にダイアリーの更新機能が停止される直前のインポートとなった。
一応、ダイアリーからブログへの自由なインポートは2月28日まで可能*1なので、更新頻度が高くなければあわてる必要はなさそうだが。
はてなダイアリーサービス終了の知らせ - 法華狼の日記

たぶん停止直前にも駆けこみで移そうとするユーザーが多いだろうな……私は忘れていそう。

はてな側が駆けこみインポートするユーザーのためにフォローしているのか*2、他で起きていると聞くトラブルも特になく、スムーズに移行を終えられた。


できるかぎりシンプルに、はてなダイアリー時代に近い見た目にしたかったが、ちょうどいいデザインのテーマが見つからなかった。
はてなダイアリーにきわめて近いデザインのテーマ「Hatena2 for はてなブログ」が個人で制作公開されているが、配色をうまく変えられなかったので、違うテーマを選ぶことにした。
Hatena2 for はてなブログ - テーマ ストア
ダイアリーでは強制的に行頭一字下げになっていたのが変わったこと、余白が広くなったことで、文章の読みづらさが増しているので、いずれ改善したい。


他に、ダイアリーではエントリの日付をいじってダイアリーの性格と記事リストをブログトップに置いていたが、プロフィール欄から飛ぶ「このブログについて」へと内容を移した。
GoogleアドセンスについてはURLが変わるのを忘れていたので、あらためて申請しなおした。いつ申請がとおるのかは不明だが、2月1日あたりからはてなブログProに移行して、広告は少なくする予定。
多数の下書きは自動でインポートされないので、手動で移していく予定。はてなダイアリー全体のトップから、ヘッダにある「管理」から「記事」を確認するページへ移動することで、完全閉鎖までは確認できるらしい。


しばらく少しずつ調節していくつもりだが、いまのところ解決策が見つからなくて困っていることが、ひとつだけある。
コメント欄が3コメントまで強制表示されるので、長文コメントが多いブログだとエントリとエントリのあいだが間延びしてしまう。この表示数を選ぶ機能がどこかにあるかと思ってが、いまのところ見当たらない。
はてな側の2016年の説明によると、この3コメントまで強制表示はずっと続いていたようなのだが、サイドバーでエントリごとの最新コメント状況を確認している人間には逆にわずらわしい。
記事ページでもコメントを折りたたんで表示する、などの機能修正を行いました - はてなブログ開発ブログ

記事に複数のコメントが付いているとき、デフォルトで3件までに折りたたんで表示し、それ以降は「もっと読む」をクリックしたときにすべて表示するようにしました。

『HUGっと!プリキュア』第49話 輝く未来を抱きしめて

決戦を終えて、野乃たちは未来からきた人たちと別れを告げる。そして時は流れ、野乃たちは大人になって……


坪田文シリーズ構成の11回連続脚本にとどまらず、佐藤順一座古明史シリーズディレクターにならんでコンテにもクレジット。プリキュアとしての日々に別れを告げる前半から、登場人物が未来を生きていく後半までを、素直に描いていく。
いかにも未来は開かれているとうったえてきた作品らしく、少女たちだった登場人物の未来図がどれも主体的な職業をもって自立した姿を見せる。そのようなアニメを女性スタッフが中核となって作っていることで、作品そのものが説得力をもたらしている。
また、おそらく岩井隆央演出と3人の総作画監督が大きく手直しをしているとは思うが、原画から作画監督までフィリピンに外注しながら画面がハイレベルで整っていてレイアウトもしっかりしていることに感心した。


基本的な構成は過去シリーズの最終回でも何度か見られたものであり、そこに驚きはない。細かな登場人物がひとりひとりネタとして拾われるていねいさに安心できたのと、前回に誰もがプリキュアになれることを提示したおかげで次作のプリキュアが唐突に参戦しても違和感が生まれなかったことくらい。
ただ、最後の最後に野乃が出産する展開になったのは、さすがに驚いた。前振りとして第27話*1や第35話*2で出産シーンが描かれていたし、はぐたんを実際に野乃が生んだことは何度もにおわせていたが、まさか実際に産む瞬間まで描くとは思わなかった。


最終回なので作品全体の感想も書いておく。
実はシリーズにおける挑戦が特に多かったわけではないし、現代の女子向けアニメとしても突出したところは少ない。ただだからこそ、物語にのせられたメッセージがわかりやすく浮かびあがり、幅広い視聴者に伝わって消化しやすかったのだろう。
シリーズ構成が終盤11話の脚本をすべて担当したりと、脚本家が主導したとおぼしき作品ながら、けっこう物語の出来不出来にばらつきがあったとは感じている。そうして各回のメッセージについては感心したりしなかったりしたが、だからといって娯楽として不要だったとは思わない。未来を信じて応援するという作品テーマを決定した時点で、現代的な観点を物語にとりこむことは必然だった。
現代的な観点で登場人物を動かしたエピソードほど新鮮で個性を感じさせたし、次に何が描かれるかという期待感があった。たとえば終盤に注目された若宮アンリは、ホモフォビアな反発だけでなく、サブキャラクターなのに目立ちすぎという批判もよく見かけたが、存在しなければずっと刺激の弱いつまらない娯楽になったろう。逆に、第27話の「育メン」描写のように社会問題を古臭い観点で処理したエピソードほど説得力がなくなり、むしろ娯楽として低評価せざるをえなかった。
ただ他に、応援をテーマにした物語らしく周縁のキャラクターを目立たせつづけた代償として、メインキャラクターの存在意義が薄れたという問題は感じた。前作よりもプリキュアの人数を減らし、敵首領を抑制的な存在にしたことで尺不足とまでは感じさせなかったものの、たとえば薬師寺さあやは序盤に期待させたほど主人公との関係性を深めないまま終わった。愛崎えみるとルールーは良かったが、既存のプリキュアの輪から外れた別の関係性をかたちづくっており、立ち位置としてはサブキャラクターに近かった。
主人公の野乃はなにいたっては、周囲から距離をとった局面が、良くも悪くも最も印象に残るキャラクターだった。その意味ではイジメ問題を過去の挫折にとどめず、もっと終盤まで引っぱっても良かった気はする。さすがに難しいとは思いつつ、佐藤順一作品が時々見せる暗さをもう少し期待していた。

「相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログ」という嘘を書いた山形浩生氏

山形氏が下記のようなエントリを書いていた。
統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

統計の信頼性について疑問を呈した柳下毅一郎のツイートを、山形は一蹴した。が、その後勤労統計の集計方法の不備が露見した。ここから、この統計は捏造であり、それが相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログが出た。

これは困った代物だとぼくは思う。一かゼロかの非常に極端な見方をしているせいで、非常におかしな極論になってしまっている。それをここで、少し説明しよう。

これが私の書いた下記エントリの要約のつもりらしいということに驚かされる。


私自身で結論部を読み直しても「一かゼロかの非常に極端な見方」のような表現はいっさい使っていない。
山形浩生氏が統計の捏造の困難性だけをもって経済指標の信頼性を絶対視していたことのメモ - 法華狼の日記

捏造が困難であるということは、その捏造は大規模におこなわれ広く責が問われるものだろう。そしてその悪影響の範囲もささいなものではなくなる。

そういう意味では、統計捏造の困難性を主張した山形浩生氏の見解が正しければ正しいほど状況はひどいのだ、と覚悟しておく必要がありそうだ。

どのような「国語力」があれば「すべての統計が捏造だ」という文意が私のエントリから読みとれるのだろうか?


こうして私は面食らっているのだが、一方で山形氏は私のエントリタイトルに面食らったという。

まずこの法華狼のブログ記述で、ぼくが統計を絶対視している、という題名には面食らった。統計が「絶対」というのが、そもそも意味不明だからだ。

山形氏も引用しているように、柳下毅一郎氏の「リフレ派の方々は、なぜ財務省の出す経済指標は捏造されてないと信じられるのだろうか」というツイートに対して、山形氏が反駁するツイートで「夜郎自大な全能感に陥る」と表現した。それほど強い言葉を用いなければ、私も「絶対視」という評価はおこなわかっただろう。
むしろ対象の文章から少なくとも明示的には読みとれない「一かゼロかの非常に極端な見方」を見いだしているのは山形氏だ。そのような反応をするという問題において、山形氏は悪い意味で一貫性がある。


前後するが、不適切な統計に対して私が「捏造」と考えたことについても、山形氏による要約は誤りだ。

柳下毅一郎は、統計を疑問視した。
そして実際に統計集計に不備が見つかったから、統計はまちがった捏造である。
よって柳下が正しかった。

法華狼は、何か統計の集計(そしてその補正)に不備があった、というのを見て、つまりその統計がまったくの捏造だ、という結論にとびついた。

たしかに私はエントリでとりあげた不適切な統計について、捏造によるものと考えたし、結論部でそう表現した。
しかし山形氏は、結論部の直前に別の記事を私が引用したことを無視している。そのため誤った要約になっているといわざるをえない。

このような不適切な処理が組織的におこなわれていたという報道もある。
雇用保険、数十億円超を過少給付 勤労統計問題の影響で - 共同通信 | This Kiji

また厚労省の担当者が2004年に本来とは異なる調査手法に変更した後、担当者間で15年間引き継がれてきた可能性があることも判明した。調査手法を正しく装うため、データ改変ソフトも作成しており、厚労省の組織的な関与の有無も焦点の一つだ。

ちなみに山形氏も「それでも一応は調査は行われ、それに基づいた集計が行われている。まったんくの出鱈目ではない」*1「統計に不備があったのは事実。でも、それがまったくの捏造だったということではない」と結論づけつつ、「標本調査なのをごまかそうとしてそれを三倍したりしてたとかいう話」が出ていることに言及している。
ただの個人の失敗などの意図しない結果として不適切になったのではなく、そこに意図が介在していたのであれば、「捏造」という表現は適切なものだろう。

*1:「まったんく」は原文ママ

『ドラえもん』ポケットの中のぴょん太/平和アンテナ

今週のドラ顔じゃんけんはロッチ中岡が担当。友達どうしでやると楽しそうな遊びだが、ハイビジョンの実写でやられるときついコンテンツだ……


「ポケットの中のぴょん太」は、オーストラリアへコアラを見に行った時、木陰で昼寝をしていたドラえもんのポケットに子カンガルーが入りこむ。知らずに帰ったドラえもんは、親がわりとして苦労することに……
野生動物を飼うことになるパターンのアニメオリジナルストーリー。2017年のリニューアルからメイン的に登板している鈴木洋介が脚本で、前監督の善総一郎がコンテ。
前半の草原の背景美術レイアウトがよくて、適度なアイレベルから映した地平線の高さから広大さがよくわかる。描きこんでいないのに色調から雰囲気を出している美術の技術もいい。木漏れ日が落ちるドラえもんも美しい。カンガルーを意図せず育てることになる物語も、オーソドックスに苦労と歓喜をおりまぜていて悪くない。
ただ、カンガルーは親のポケットを嗅覚で判断しているはずで、ロボットのドラえもんを親と判断したことには何らかの説明がほしかったところ。子カンガルーが群れに戻るクライマックスで、群れからやってきたカンガルーと戦う展開になるのも、動物のボス争いとは違うのではという気がしたし、叩く時のペチペチとした音響が迫力を減じていて工夫がほしかった。


「平和アンテナ」は、のび太がヒーロー番組ムテキマンを楽しみに帰ったところ、両親のケンカを見て離婚を恐れる。ドラえもんにたのんで、あらゆる争いを止める秘密道具を出してもらうが……
意味もなく秘密道具の機能を楽しもうとするパターンの原作を、2005年リニューアル以来に初のアニメ化。脚本は佐藤大で、コンテはパクキョンスン。
全体として原作に忠実で、平和になる過程をひとつひとつのばすことで放映の尺に合わせている。完全なアニメオリジナルはスネ夫のママがバーゲンの衣服を争う場面と、その後で奪いあってたものを分割する描写くらい。
FIX主体で構図を工夫したコンテや、放り出された秘密道具を映すラストカットなど、映像面でも2005年以前のシリーズ演出を思わせる。作画は新しいので古さを感じさせず、それでいて懐かしくも安定した良さが感じられた。

「話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選」の投票集計結果の雑感

新米小僧氏によって、参加したブログの集計がおこなわれていた。
shinmai.seesaa.net
順位の重みづけがされず、かつ知られざるエピソードをほりおこすため1作品1話が原則というシステムのため、いつも最上位が意外なエピソードになる。
とはいえ、全話が安定していて、かつ突出したエピソードがあった印象でもない『ゆるキャン△』から、途中の第5話が1位になるとはまったくの予想外だった。推しているブログの評価を見ると、冒頭の温泉シーンで性的サービス回かと思わせて、本編は普通にキャンプをテーマにしたドラマをしっかり描くという落差で高評価された様子。
逆に、人気や評価が高いだけでなく、2018年初期に放送や配信がされて視聴者数そのものも多い『宇宙よりも遠い場所』は、トップ3に顔を出すと予想していたが、推されるエピソードが分散した結果として、第5位に第11話と第12話が同票で顔を出していることに。


例年の傾向として、ややシリアスかつ少女がメインとなった作品が上位にならぶ。2位の『SSSS.GRIDMAN』第9話も、少女の物語として評価されている感がある。
そのなかで第8位と健闘しているのが『BORUTO』第65話で、作画アニメとしての注目と評価が集中した様子。2017年の話数単位で作画アニメが投票集計1位をとった*1ことを思い出す。


なお、私の参加エントリは下記のとおりで、例年になく他に推す意見のあるエピソードばかりだった。『ドラえもん』も他に推すブログがひとつあった。
話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選 - 法華狼の日記
私しか推さなかったのは『アニマエール!』第3話と『グランクレスト戦記』第24話のみ。しかも後者で比較的に言及した作画回『BORUTO -ボルト-』第65話と『ブラッククローバー』第63話は両方とも複数のブログが名前をあげている。