ソラ・ハレワタールたちはエルの新しい服を買おうと店へいったが、誰が選んでもエルは気にいらない。そんな時、有名モデルの早乙女姉妹と出会う。虹ヶ丘ましろも知らなかったが、早乙女姉妹は聖あげはの実姉だという……
成田良美脚本。父か母を失って一人親で育ったプリキュアは『スマイルプリキュア！』のキュアハッピーなどがいるし、ゲストキャラクターでも何度となく印象深いドラマがあったが、味方側のメインキャラクターで離婚をとりあげたストーリーは珍しい。
厳密には『フレッシュプリキュア！』のキュアベリーの両親も離婚しているが、どちらかといえば実の弟と恋人のように間違われるギミックのためだった。『ＨＵＧっと！プリキュア』のキュアエトワールは母親の職業などに関係していたが、貧しそうな家庭で裕福なスポーツをおこなう説明づけに終わった*1。その意味では、今回のキュアバタフライの家族関係も今後はふみこまず、ファッションショーに参加させるための設定にとどまるかもしれないが。
とはいえ今回の物語において、姉やその仕事仲間からファッションモデルという選択肢を示された聖あげはが、あらためて保育士という仕事を結末で選ぶ。法律的には成人であってもまだ若い女性が、過去の自分を重ねるように幼い子供たちを育てようとするドラマだ。これまで夕凪ツバサに対して、ことさら年長者としてふるまおうとしてきた描写にも筋がとおる。
作画監督は上野ケンで、美麗さがもとめられる物語を映像でささえていた。ただ、眼球を凹状に表現するカットが散見されたが、これは1990年代くらいの作画スタイルで、ちょっと古さを感じた。
