法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第25話 夏祭りと花火とハリーのヒミツ

はぐくみ神社の夏祭りに主人公たちは出かける。屋台で楽しく遊びつつ、ハリーと輝木の距離が少しずつ縮まっていくが、そこに新たな敵幹部が……


田中仁脚本で、新幹部ビシンの顔見せと、ハリーの過去説明をおこなう。
設定的には第17話*1くらいから示唆していた範囲にとどまり、驚きはない。ていねいに伏線をはりすぎるとイベント回の特別性が薄れてしまう、という難しさを感じた。
そこで感心したのは、改心した敵幹部が主人公の仲間を芸能人としてスカウトしようとする前半が、新幹部が洗脳的に主人公の仲間をスカウトしようとする後半の、前振りでありつつ対比であるという構成の妙だ。コメディ、メロドラマ、シリアスと段階的に転調しているから、雰囲気の違和感もない。
あと、冒頭で描かれた輝木の家がフィギュアスケートをするには裕福でなさそうで、母が土木作業員という性差を超えた描写も娘の設定とは衝突する謎を、本編で説明したのは良かった*2
また、拘束を外されたハリーが暴走して怪物化する展開や、その怪物化の背景設定から示されるクライアス社の反社会的勢力ぶりも良かったが、残念ながら青山充作画監督*3なのでアクションがパッとしない。暴走ハリーをもっと強力に表現できれば、特別なイベント回という印象が生まれたかもしれないのだが。

*1:『HUGっと!プリキュア』第17話 哀しみのノイズ…さよなら、ルールー - 法華狼の日記

*2:ここも今後の展開によっては、今回のようにイベント回の意外性が薄まってしまうかもしれないが。難しいところではある。

*3:今回は二人原画。