法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第18話 昏き光を越えて/第19話 彼らは来た

ヤマトがガミラス帝国の主力艦隊を切り抜け、復権したドメルがヤマト討伐に向かい接触するまでの二話を連続放映。


第18話では、亜空間ゲートの中継地点に大艦隊が待ちうけている絶望から、その死中に活を見いだす沖田艦長の戦法までを楽しませる。
まずは前半の偵察行動で、敵の大規模さを視聴者へ印象づけつつ、情報がヤマトにわたる経緯を描写。作戦行動中ではない密集艦隊へ突入することで同士討ちを誘いつつ、次なる亜空間ゲートへ向かうことを優先し、単艦ならではの賭けに勝つまでを描ききった。
さらに波動砲のギミックを活用した奇策で、SFアニメらしい面白い映像が楽しめた。波動砲を敵の殲滅ではなく足止め目的に使用し、同時に移動のためにも利用。これはつまり、宇宙空間を移動するための波動エンジンで兵器を作り出したと批判されたことへの、沖田艦長なりのアンサーでもあるのだろう。


第19話はデスラー総統の復活から、帝国上層部の粛清劇、復権したドメルへのヤマト討伐令、くすぶりつづける反乱の火種を描く。
主にガミラス帝国内部の視点によりそい、帝国が一枚岩でないことを印象づけた。デスラー復活までは予定調和だが、その波及効果までは予想できず、登場人物のゆくすえを感情移入しながら追っていくことができた。特に、厳密には第18話の出来事だが、ゲールというガミラス人の、小物なりに忠誠心は本物であったと示す描写は好みだった。
前回に主力艦隊が足止めされた上、復権したばかりのドメルは主力艦をまわしてもらえず、単艦のヤマトでも互角に戦えそうな状況となる。物語の展開上、ヤマトに負けるか逃さざるをえないドメルを、ちゃんと名将らしく描きつづけるための準備だ。
ここでドメルは沖田艦長の選んだ針路を予測。たがいに強さを認める知将らしさの演出であると同時に、いつも第18話のように沖田艦長が賭けに勝てるわけではないというエクスキューズでもある。