法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第25話 終わりなき戦い

これまでで最も多くの作画監督を投入し、物語も制作も最後の総力戦。待ち伏せしていた敵艦隊との戦闘、大規模な白兵戦、亜空間という特殊状況での艦戦と、バラエティある戦闘をたっぷり見せる。
敵が本拠地に侵入してくる回は外れがない。これまで見てきて愛着の生まれた舞台で、主人公側が背水の陣をせまられる。力のこもった手描き作画で、キャラクターが次々に倒れていく。
戦闘も登場人物も多いのに、焦点をあてる対象をしぼって、さほど尺不足という印象におちいっていないことも良かった。たとえば最後の亜空間戦闘でヤマト側の状況をいっさい見せないことで、倒れるガミラス側のドラマに焦点をしぼりつつ、乾いた空気を生んで余韻を作る。デスラー総統の信念が状況に左右されてしまっているところも、青臭い覇権主義者という今作の印象からすれば違和感ない。


村井さだゆき脚本も見事だった。同じく脚本を手がけた第9話と第14話が一見して趣味に走った内容だったところを、きちんと伏線として回収。オマージュした台詞などは、旧作より感情の流れになじんでいると感じたくらい。