法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第24話 遥かなる約束の地

前回にデスラー総統を倒してガミラス帝国と休戦になったことで、今回のヤマトはイスカンダルでコスモリバースを受領するまで穏やかな時間をすごす。
海で泳いで異星人とたわむれたり、助けてもらった異星人と子供をなしたりと、いろいろな愛が描かれた。楽しくも穏やかな映像にのせて、しずかに文明の衝突を見つめなおし、人類はどうすべきだったのか墓碑にそえた花と銃で象徴する。胸に落ちる、良い物語だったと思う。
今回は普段と雰囲気が違うこともあってか、スタッフの顔ぶれも少し違う。絵コンテは佐藤順一で、奇をてらわない巧さがあった。原画にうるし原智志*1


コスモリバースを最初から地球にとどけなかった理由も語られた。ざっくり説明するなら、情報を記録した特殊な媒体を運ぶために長い旅路が必要だったといったところ。もちろん説明なら最初にできたろうが、描かれてきたイスカンダル人の思想やガミラス帝国との関係からすれば、説明したがらない行動も理解できる。
また、過去にイスカンダルも波動エンジンを兵器に使用していたことが語られ、その反省で波動砲を嫌悪するようになった歴史が明かされる。その願いを地球側も受け止めたのか、コスモリバースとして生まれ変わったヤマトは波動砲の砲口をふさいでいた*2。地球の放射能汚染という設定がリブート時に変更された理由が少し気になっていたのだが*3ガミラス人と共存するためだけではなく、原子力や文明技術のアナロジーを波動エンジンに一本化するためでもあったようだ。

*1:結城信輝との師弟関係があるので、そこまで不思議ではないが。イスカンダル墓地で記録情報をわたされる場面あたりで怪しいカットがあったが、あくまで憶測。

*2:波動砲を正面から見ると菊の紋の形になっているのだが、それが塞がれたことによる外見の変化も面白い。

*3:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20130407/1365369838のコメント欄等。