法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第20話 七色の陽のもとに

森田繁脚本、別所誠人コンテで、前回を受けた七色星団での戦いが描かれる。
上下のあるヤマト宇宙観と、戦闘機の立体的な空間機動が、うまく両立して画面になじんでいた。宇宙艦や七色星団のガス雲が背後に映りこむおかげで、星空だけの宇宙戦闘より距離感や位置関係がわかりやすい。
艦内での銃撃戦で手描き作画の見せ場もちゃんとあるし、敵味方が複数の作戦を同時展開しながら見ていて混乱しない。


そうして放送時間いっぱいに艦内外でバラエティあるアクションが展開されたのだが、敵の優先目標は要人拉致にあった。
敗北せざるをえない展開においても最低限の目標を達成したことで、ドメルの評価が一定に保たれる。ついでに地球を救うというマクロな目標にくわえて、身近なキャラクターを救うというミクロな目標が生まれて、よりドラマの牽引力が大きくなった。
しかし結果としてドメルの自爆攻撃と物語の高揚感が一致しない。しかも慢心を反省したばかりなのに、わざわざ自爆直前に沖田と会話したことでヤマト破壊にも失敗してしまった。
拉致作戦と自爆攻撃の物語としてのテンションを一致させるなら、ヤマト艦内に潜入した部隊が捕縛されかけたところをドメルが特攻して脱出を助けた、といった展開にすべきだったのではないか。切迫した状況なら、いったん帰還して再起をはかるという選択肢をとれなかったことに納得できるし。


あと個人的な好みとして、新見だけでなく伊東も一時的に拘束を解かれて艦内戦に参加する、といった展開が見たかったな。
今回は迷わず指揮官の指示にしたがって戦闘に全力をかたむけるキャラクターばかりだったから、腹に一物かかえたキャラクターを一人くらいアクセントとして登場させてほしかった。