法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

門田隆将ブログが従軍慰安婦問題に言及していたが……

そういえば山本七平賞を受賞していたっけ、と思い出した。


最初に目に入ったのは、5月25日のエントリ。
門田隆将オフィシャルサイト | kadotaryusho.com

外国では、橋下氏の発言の内容が「大坂市長は、軍には当時“性奴隷(sex slaves)”が必要だった、と発言している」と報じられ、より大きな反発を受けていることを指摘させてもらった。

知人からも直接、問い合わせが来るなど、非常に大きな反響となり、一般の方々の関心の高さに驚いた。その中に、「では、従軍慰安婦を英語ではなんと表わせばいいのか」という質問が少なからずあった。

私は、英語の専門家でもなんでもないので、ふさわしい表現があるなら、是非ご教示いただきたいが、強いて言うなら、「licensed prostitutes in military (軍における公娼)」と表現すべきではないか、と考えている。

実態を論じず、翻訳された言葉だけ勝手にいじっても、外国世論を動かすことなどできないと思うが。

3日前のブログでも書いたように、貧困に支配されていたあの時代、家族を助けるために自らの身を売り、色街で働く薄幸な女性は数多くいた。そして、その中に軍を相手に独占的に営業する「P屋」と呼ばれる慰安所で働いた女性もいた。

身売りが行われていたと認識しながら、第三者から奴隷とみなされていることをなぜ批判できるのだろうか。

秦氏によれば、当時の日本兵の月給は10円前後だったというから、慰安婦は、「兵士の30倍の月収」を提示されていたことになる。それは、貧困の時代の哀しい「現実」である。

そうした広告で書かれた額面通りの給料が女性に支払われたという理解で、ノンフィクション作家をやっていけるのだろうか。当時はもちろん、現代でも眉唾に思うべきではないのか。

歴史を振り返る時、自らの身を売って家族を助けようとした健気(けなげ)な女性が数多くいた不幸な時代のことを噛みしめることは大切だと思う。

この文章は、いささか気持ち悪い。買った側の問題にいたっては言及すらしていない。


そうしてブログをさかのぼり、5月20日のエントリを読んで、ひとつ得心がいった。
門田隆将オフィシャルサイト | kadotaryusho.com

それは、日本国内にとどまらず、朝鮮半島をはじめいろいろな地域の出身の女性たちだった。しかし、言うまでもなく日本が国家として「嫌がる婦女子を無理やり拉致して従軍慰安婦にした」ということではない。

「言うまでもなく」って、スマラン事件や西ジャワの事例*1山西省の事例*2は、なかったことにされているのだろうか。
……などと思いながら読み進めていくと、色々と察することができる文章につきあたった。

いつものように親中・親韓の日本国内の“反日メディア”が憎っくき橋下氏に食らいついたのが今回の騒動だった。詳しくは今月26日発売の月刊「WILL」のコラムに書いたので、それをお読みいただければ、と思う。

……そうか、『月刊WILL』にコラムを書いているのでは、しかたない。今後は、そうした媒体で文章を発表している人物と理解することにしよう。