法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『STAR DRIVER 輝きのタクト』第十六話 タクトのシルシ/第十七話 バニシングエージ

第十六話はタクトの過去と、マリノとミズノの一時退場までを描く。
正直にいえば、タクトの過去は今さら描かれても感じるところはない。タクトを視点人物と考えれば第二話くらいまでには描いておくべきだろう。タクトの圧倒的な行動力で人々が動かされる物語であれば新展開に入るまでふせておいてもいいが、すでに第八話で内面にふみこんでいるのだから、ドラマを展開させるため同時に説明されたという印象しか残らない。説明された心情だから共感は当然できない。
だから逆に、初登場から関係性を描き続け、ついに前々回から破綻をきたした姉妹の真相と再生には感じ入ることができた。嘘を嘘と正しく認識した上で受け入れれば、それは吹けば飛ぶ幻ではなく、現実と戦うための虚構という武器となる。
そして同じ構図で描かれた同じような船出だからこそ、母から逃げようとした前回と、母に別離を告げようと会いに行く今回の、全く異なる姿勢が浮き上がる。
ミズノのドラマを受けて、本編からEDまでの流れも印象に残る。自らが作り出した幻の姉に支えられ島を出ていくミズノに前奏がかぶさり、「心までは奪えない 何度でも何度でも駆け出せる」という歌へ繋がる。これまで違和感があった力強い歌声だからこそ、前向きに島を出る結末ときれいに繋がった感動があった。たとえタイアップであっても、本編と響きあい高めあう主題歌はあるのだ。


第十七話は、ロボット戦で勝とうが負けようが綺羅星十字団内では何の意味もないことが明らかにされたところが、何ともいえず凄かった。
あと、敵の命を助けるため操縦席だけ抜き取る必殺技が登場しながら、あまり『勇者王ガオガイガー』が言及されていないことが個人的に残念だった。
色々と新規作画があったEDは、まあ良かったと思う。