法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ ブレイヴ』第7話 覆面の超覚醒!幻羅星龍ガイ・アスラ

前回は無根拠な自信で戦いを扇動していたかに思えた青年が、人類側の英雄であった過去の姿で主人公に戦いをいどんでくる。そのファイトスタイルは前作の主人公と異界王を組み合わせたもの。過去に使っていたバトルスタイルを見て主人公がかえりみる描写はなく、むしろ青年が主人公に導かれて再び英雄として再起していくまでを描く。
けっこう行き当たりばったりな主人公の行動は今さら問われず、そんな主人公に固定観念をぐらつかされた人々が変化していく。こういうダークヒーロー的な作品は子供向けにないわけではないが、少年向けファンタジーとして普通だった前作のイメージでとらえると違和感はある。だがそれを物語の前提と考えて青年のドラマとして読めば、敗北した英雄の再起や、共同体で片隅に追いやられていた者の再評価といった前向きなドラマを、きちんと作品フォーマット内で描き出した。
だからカードバトルの内容も面白い。前作の主人公を思わせる青年のファイトスタイルは懐かしいし、たがいに残り1つのライフにまで削られていきながら真正面でぶつかりあう展開が熱い。ガイ・アスラでバトルするたびに他のカードを使う余地が消えていってしまうという、強いカードにこそ限界があるバトルスピリッツらしい制約が反映されていたところも良かった。


作画監督は田辺謙司。菊池晃作画監督と同じくハイライトや影をきつめにつけているが、微妙な匙加減で光より影が強調されているよう感じる。あまり人体のフォルムを誇張しないところもポイントか。