前回から映像が息切れすることなく、きちんと前半にキュアサンシャイン誕生の物語を閉じる。その上で「心の大樹」を守ってシリーズ全体の危機をひとまず脱し、最強の敵ダークプリキュアをプリキュア全員の力でからくも退ける。
ダークプリキュアとのパワーバランス、マントを羽織って飛行する際の三者三様の反応……シリーズとしても見せるべき描写を隙なく見せて、文句のつけようがない回だった。
演出は境宗久で、作画監督は複数の映画『プリキュア』シリーズを手がけた爲我井克美。
前回はキュアサンシャインのアクションに注意を持たせるためかデザトリアンの攻撃が単純化されていたが、今回は車椅子という素材を活用してローラーダッシュしたり手を怪物的に伸ばしたりと攻撃が多彩だ。水中に没したり*1、後半では浮遊する島の上で決戦したりと多彩な舞台で戦うことで、シリーズ最高のリソースが注ぎ込まれた前回に勝るとも劣らない面白い映像が楽しめる。
今回は爆発の煙や雲の多くを静止画スライドで処理していたところも興味深い。地味に作画枚数を抑えようと努力しているのだろうが、奥行きを見せるため近景中景遠景ごとにきちんとスライドを別けていて、結果的には手間をかけてしまっているような気がする。視聴者としては単純に嬉しいが。
*1:水門関係のレイアウトや背景美術がやけによく出来ているので、どこかでロケハンしているのかもしれない。
