法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

利用できるからと前後で矛盾する説を同時に主張するのが偽科学の特徴

uedaryo氏のコメント欄で「強制連行されたとはいねない」*1根拠として提示されていたページがなかなかひどい。
http://makizushi77.hp.infoseek.co.jp/SEIKATUHOGO.htm

在日朝鮮人たちは、日本に強制連行されてきたと主張するが
戦後60年間、彼らの中で「朝鮮半島に帰りたい」と訴え出た者は、なぜか一人もいない。

終戦直後(1945年)、日本には200万人の朝鮮人がいた。
・その内、140万人は終戦と同時(1946年まで)に朝鮮半島に帰国した。
・更に北朝鮮帰還事業などで10万人が朝鮮に帰った。
・つまり200万人のうち、150万人が帰国した。

自身で150万人、終戦直後を除いても10万人が朝鮮半島へ帰ったと主張しながら*2、帰りたいと訴え出た者は一人もいないと不思議がる不思議。せめて同じページ内の整合性くらいははかろうよ。
そもそも、帰らなかった者がいるから強制ではなかったという論理は頭が悪すぎる。比較的に貧しく権利も剥奪された人々が、海を越えて移動することが半世紀前は容易だったとでもいうのだろうか。上記ページの論理を延長すれば、黒人奴隷の子孫としてのアフリカ系アメリカ人*3など存在しないだろう。
ちなみに今はid:gurugurian氏の朝鮮人戦時動員問題FAQ*4等もあるので、インターネット上で手軽に調べることもできる。

*1:http://d.hatena.ne.jp/uedaryo/20100508/「いねない」は原文ママ

*2:その帰還事業は棄民政策じみており、必ずしも故郷へ帰ったわけではないのだが、ここでは深く追求しない。

*3:全てのアフリカ系アメリカ人が黒人奴隷の子孫というわけではないことに注意。

*4:http://wiki.livedoor.jp/gurugurian/d/