法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『アイ・アム・レジェンド』

TVで視聴。思わず邦題を『ウィル・スミスのアイ・アム・レジェンド』とつけたくなったほど、いつも通りのウィル・スミス。
最初から科学者じゃなく、人類が絶滅の危機におちいった後から生き残りの一人として研究を行っていた、というような設定であれば、まだしも自然だったと思う。もちろん、ウィル・スミスのような科学者が存在しないなどという考えも職業に対する偏見だが、劇中実験描写の不自然さも薄れると思う。
それでも、本来に予定されていた原作通りのラストであれば、典型的なアメリカンたるウィル・スミスが主演である必然性が強く出たと思うのだが……ウィル・スミスがダークシーカーへかけた罠をダークシーカーがかけ返す描写とか、原作の結末を知っている者としては良い伏線だと思ったし、最後にウィル・スミスが襲われる場面で何かに気づく様子も、そのまま「衝撃の結末」へなだれこむかと期待してしまったよ。価値観の逆転を描かないのでは、怪物化した人々から襲われる最後の一人という、よくある娯楽映画と変わりない。


ハッピーエンドに近く変更するとしても、せめてダークシーカーとの共存を目指すレジェンドを打ち立てれば良かったのではないか。
藤子・F・不二雄『流血鬼』を実写ドラマ化しないものだろうかな。舞台もせまいし、特撮もちょっとした流血描写がある程度だから、かなり安価に実写化できるはず。