法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第37話 誕生

主人公補正*1を批判的に描くため、より極端に設定されたキャラクターが登場し、主人公と対立する展開。しかしすでに主人公は教導師という他人を導く立場となっており、主人公補正を軽減することが目的ならば遅かったか。
書籍の知識を実地体験より優先する欠点はあからさまで結末が見えすいているし、サブタイトルで予告されるように誕生の感動で対立自体もなし崩し。
このキャラクター設定なら、カザルムに来たころのエリンと同年齢の少女が、同じように特別編入したという描写でも良かったと思う。もう少し主人公と互角に対立するキャラクターがほしい。


……そもそも、主人公補正を自己指摘する描写を今ごろ期待したのが失敗だったか。
重たいキャラクター設定を引っ張らず、一話完結で収めてみせたことは確か。ゲストキャラクターの物語と考慮して見れば、あるいは面白く感じたかもしれない。


絵コンテは布施木一喜、作画監督は杉本道明という布陣だが、ぱっとしない物語のため良い印象がない。
ムックとモックのコミカルな場面で、前時代的なオバケ作画をしていたのが目を引いた程度だ。

*1:極端な幸運が連続したり、批判されるべき場合に許されるような、主人公を活躍させるための御都合主義のこと。