法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スイートプリキュア♪』第2話 ガガ〜ン!早くもプリキュア解散の危機ニャ!

演出は畑野森生。序盤と終盤のアクションがそれぞれ良かったのと、台詞で設定説明が続く中盤において妖精フェアリートーン達の遊ぶ姿を見せて単調にしない工夫が印象的だった。
作画も序盤の戦闘は良かったし*1、予想外に絵がまんべんなく整っていた。EDクレジットで表記された作画監督は永瀬平五郎という見たことのない名前だが、アニメ雑誌等の予告で予定されていた作画監督は奥山美佳*2。予告映像では奥山作画らしい癖が見られたのに*3、本放送で修正されているところを見ると、大幅な別スタッフ修正によって名前を隠したケースかもしれない。ただし撮影効果による演出なども予告映像と本放送では異なっているので、作画よりもスケジュール等の全体的な問題が背景にある修正だろうと思うが。


物語面は良く感じたところも悪く感じたところも。
脚本は初回に続いて大野敏哉。主人公2人の直接的なやりとりではなく、状況が相似したゲストキャラクターを通して婉曲に描こうとするところは初回と同じ。ただ、そのゲストの登場自体が唐突で展開も見えすいてしまい、また別の意味で御都合主義と感じてしまった。
主人公2人が仲違いした原因も、解決はあっさりしたもの。初回で学校の破天荒な大きさが印象づけられているので原因自体はありえそうに思えるし、つまらない原因で仲違いすること自体が2人の互いへの強い思いを表現しているので、もう少し工夫すれば好印象になったと思うが。
たぶん疑問と解決が交互にくるだけの脚本構成が、制作者の意図する順番で物事が起きる御都合主義を強く感じさせ、ひいては説明の単調さも強調させていたのだと思う。古典的な構成だが一例として、序盤の戦闘時点でゲストを巻き込みそうになれば後半の出会いに唐突さが薄れるし、戦闘後に現在位置がわからなくなってしまうような描写があれば仲違いの原因の伏線にもなっただろう。
細かいキャラクター描写が楽しかった分、日常場面と戦闘場面が主人公の心情でしか繋がっていない分離具合が気にかかった。

*1:デフォルメ加減が過去シリーズでも見かけた記憶があるので、たぶんシリーズ初登板のアニメーターによる作画ではないと思う。過去シリーズに参加した著名な東映系アニメーターでいうと本吉悟か戸井田宙か。

*2:現在、Newtypeチャンネルサイトの「番組表」でも5話までのスタッフが確認できる。http://anime.webnt.jp/program/

*3:口がハートマーク状になる癖がわかりやすい。そこまで今回の予告映像は明瞭ではなかったが、上唇が下がっていたりしていた。