いわゆる「再生怪人」回。過去の強敵が同時に蘇って襲ってくる過酷さと、あまり新設定を作らなくてすむ制作リソースの節約をかねている。いかんせん状況のわりに作画リソース不足が目についた。
再生したデスジェネラルとの戦いと並行して精神を奪う攻撃をされ、それを逆用して精神世界へ主人公が飛び込むという状況設定は良かった。精神世界ゆえに精神の強さが勝負を左右した逆転劇や、肥大化する一方だった主人公側デジモンがひさしぶりに初期合体のX3で戦ったりと、精神世界ならではの見せ場が複数ある。
デスジェネラル側も再生されるだけでなく、精神と肉体が分断されており、過去に主人公と和解したデスジェネラルが精神世界で仲間につくというドラマを見せる。微妙な温度差が描かれた末に、デスジェネラルそれぞれの最期はそれなりに納得がいく形で収まった。
残念だったのは、主人公が精神世界へ飛び込んだ経緯が、敵が賭けに乗ったためというところ。ゲームを好むキャラクターと描かれてきたが、さすがに敵の気まぐれがないと逆転できなかったというのは御都合主義と感じる。
先述したように作画リソースが足りなく感じたのみならず、描写の配分に問題があってアクションに爽快感が欠けた感もある。一例として、久しぶりのX3は前編では合体しないまま終わり、爽快感がない。そして後編の冒頭で合体して即座に負け、後半に再び合体したために映像の使い回しが目立ってしまった。第50話内で合体を終わらせ、前編に爽快感を出しつつ後編での使い回し感を減らすくらいの工夫はほしかった。