故障によりサッカーの道をあきらめたという設定が、はるかかなたに忘れさられた感のあるストライカー。短時間とはいえビーチでオーバーヘッドキックを決められるのに、普通のサッカーができないわけないだろ。制作側が忘れやすく、絵になりにくい設定をキャラクターの根幹に置くものではない。
それはさておき。
石川てつや作画監督のやたら力が入った作画に加え、媚びた演出で美少女度の増したキャラクター、妄想で自らをゲームカードに模すストライカー、お約束としかいいようのないオチまで、今回は販促の枠を超えた内容だった。
しかし、戦うキャラクターの心情が妄想とはいえカードバトルの動機に直結しているし、特性が異なるカードの組み合わせをキャラクタードラマに重ねてわかりやすく表現してもいる。妄想に浸ったストライカーも最終的に筋を通し、カードゲームの世界に戻る。一見すると制作者が暴走しただけの回に感じるが、よく見ると意外と販促アニメとしても面白い作り。