『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』の直接的な続編で、メインスタッフの交代もなし。番組フォーマットも踏襲している。
しかし物語内で2年間が経過し、バトルスピリッツ以外では温和だった主人公の性格が様変わり。前作で刹那的に人生を楽しんでいた少女からすら「恐い」と評される表情を見せ、異世界における命がけのカードバトルに喜びを見いだす。しかもカードバトルが始まっても目に見える高揚感はあらわさず、淡々と冷えた口調で語るだけ。キャラクターデザインこそ熱血ヒーローの雰囲気を残しているが、実際の印象はダークヒーローに近い。ライバルキャラならば珍しくないが、正統派主人公の成長した姿としては違和感が大きすぎる。おかげで前作と比べてもカードバトルアニメらしくなく、やや高年齢向け異世界ファンタジーアニメと感じさせる。子供向けアニメと思うと、前作終盤よりも微妙な気分になる。
作画はキャラクターからメカにいたるまで整っていたし、3DCGの演出も充実。異世界ファンタジーアニメとして見れば個性的で、映像的な満足感もある。
しかし、カード販促アニメとしては前作よりも後退しているとしか思えない。『妖逆門』『牙』といったカード販促としては失敗したアニメを思い出す。玩具の魅力をアニメで表現するという順序ではなく、アニメで表現されたことを再現するというバンダイ玩具の特徴が良くも悪くも感じられた。
