法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ミッドナイトイーグル』

TVで視聴。原作は未読なので、映画で違和感があった描写の責任がどこにあるかは不明。
日本アルプスへ墜落した米軍ステルス機「ミッドナイトイーグル」に搭載されていた核爆弾をめぐり、自衛隊工作員の戦いが始まる。真実を突き止めようと山へ入る報道写真家の運命はいかに……


最初から最後までハリウッド映画の低予算模造品という印象がついてまわった。冬山で目立たない服装ながら、敵味方が混乱しないカット割りに感心したくらい。
案外と映像の粗は少ないが、それは絵面で冒険していないから。ホワイトアウト』で手慣れた吹雪VFXは自然で目立たないゆえに単独では面白味がないし、ヘリコプターの戦闘は天候不順を理由に一瞬で終わる。この種の娯楽映画で、争奪対象の大爆発*1を映像で見せないのも、本当にどうかと思った。
TVモニターで見てさえ俳優の顔面アップが多すぎたことも気になった。


日本アルプスとは別に港で銃撃戦もある。映像に贅沢はいわないが、工作員の行動が頭悪すぎた。複数名で行動しているのに、放火されただけで全員が持ち場を離れるというのは御都合主義がすぎるだろう。
逆に日本アルプスの戦闘では、工作員の人員や技術が自衛隊と互角というありえなさ。国境でもないのに、日本国内で工作員自衛隊と同規模の部隊を展開する展開に説得力を持たせるためには、経過を説明する多くの描写が必要だ。
核爆弾の暗号を変える技術があり、工作員を見張りに残したくらいなのに、即座に起爆せず時限式で爆破しようとしたのも不自然。本来なら見すごせる程度の御都合主義で、いくらでも脳内補完は可能なのだが、起爆設定を解除したまま結末まで一直線の展開が長々と続くとは。もう一ひねりくらいあると思ったよ。

*1:映画の展開上、争奪対象の爆弾自体ではなく、周辺への攻撃になるが。