法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『電脳コイル』第24話 メガネを捨てる子供たち

〜捨てたんじゃなく取り上げられただけだが〜
じっくり時間をかけ、さらにヤサコ*1と妹*2と母*3と多角的にデンスケの消えた後を描写しただけあって、喪失感が相当なもの。その母の会話で、アニメという明らかな架空世界*4において、電脳世界の架空性を語るメタ状況も面白い。
カンナ事故の真相は、以前から何度も映像で明示されていたことが原因と判明。簡単に台詞で説明されただけだが、伏線がしっかりしつつ映像的にも想像しやすい、良い謎解きだった。


原画に、とみながまり。トムス以外での仕事を見るのは珍しい。
柔道シーンの動きがオバケ*5を活かしていて楽しかった。

*1:感情が全く受け入れられない状態から、徐々に追い込んでいく脚本が素晴らしい。

*2:最も幼き者だけが架空の存在と触れ合えた。

*3:実体験を語り保護者として理解しようとしつつ、子供との間に境界線を引く距離感がいい。

*4:もちろん実写ドラマもフィクションであることは確かだが、リアリティレベルの差違はある。

*5:動きを良くするために残像を描く手法のこと。その残像そのもの。