法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『地球へ…』section24 地球の緑の丘

中途半端に複数の登場人物にスポットをあて、物語がさばききれていない。個々の描写が薄いわりに詰め込みすぎているので、ドラマ的にも今一つだ。部分的には光るシーンもあるのだが。最後まで孤独なキースというキャラクターの立て方は好み。
アニメ全体の印象も同じ。映画や原作でも微妙だった主人公ソルジャー・シンの心変わりが、尺を長く取っているTVアニメでも説明不足だったのは印象悪い。個々の原作補完には良い所もあったし、苦さをかかえつつ希望を感じさせる結末にしたのも許せるのだが。
全体を通して見ると、作画的に充実しつつ、設定を活かして生命誕生を登場人物全員で共有したsection11*1。そしてTVアニメで最も力が入っていたキース周辺のドラマ、特にマツカの人物像を主に掘り下げたsection22*2は良い出来だったと思う。


最終回のコンテ演出は本編初担当の、久条りおん。原画でも山下敏成や西井正典ら、作品に関わってきた中では名のある人員がそろっていた*3
全体的に画面が整っていたし、吹き飛ばされて地面を転がるキース等、殺陣前後を主として動きも良かった。
しかし演出や作画が健闘する一方、宇宙戦闘で顕著となったCGのつたなさは最後まで足を引っ張っていた。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20070617/1182033081

*2:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20070910/1189381316

*3:結局、最後までキャラクターデザインの結城信輝が本編作画に参加しなかったのは残念だが。