法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』誕生日1時間スペシャル「ドラえもんが生まれ変わる日」

原作漫画*1と、中編映画『2112年ドラえもん誕生』*2と、大山時代ドラえもんSP*3の、中間をねらっている様子。
ゲストキャラのパワえもんが、ドラえもんズの各キャラクターを受け継いでいる雰囲気なのが個人的に嬉しい*4。ノラミャーコさんも体型は原作を踏襲しつつ、性格や職業は映画に合わせた設定だ。


物語の本筋もミスディレクションが効いていて、それなり以上に楽しめる展開だった。やや解決が安易な気はしないでもないが、ネジが抜けていた云々の台詞で許せる。
安藤敏彦演出らしく、アニメらしさを前面に出した映像も楽しい。ドラえもん製造時のメカニック演出にエフェクト作画、クライマックス突入時の背景動画などが特に目を引いた。


番組最後で、ドラえもん絵描き歌が一度だけ復活という話はつらい。ドラえもん初期の名歌だと思うのだが。
映画の声優公募は、話題性先行ではなく、せめてきちんとオーディションして、演技ができる人を選んで欲しいところ。『のび太の恐竜2006』は素晴らしい作画と原作翻案がなされていたのに、ピー助の声優1人で画竜点睛を欠いていた。

*1:単行本では11巻の最後に収録されている。雑誌掲載版とは内容が多少異なる。

*2:米谷良知監督の傑作アニメ映画。ドラえもん誕生エピソードと原作漫画の誕生エピソードが並行し、交錯する。いくつかの描写は原作漫画と異なるが、ドラえもんが青くなった理由等の原作補完性は高く、原作者が最終的に公認した設定でもある。ドラえもんズも登場。物語には同窓会要素もふくまれている。

*3:半公式漫画『ドラえもん百科』から受けた設定が多かった。

*4:声はドラザキッド、エリート風は王ドラ、エレベーター脱出はドラメッドといった風に影響が感じられる。守衛ロボットが狼に変身したのも、ドラニコフを意識してではないだろうか。