シャララ隊長を奪還したプリキュアたち。さらに虹ヶ丘ヨヨがキラキラポーションを完成させ、王と王妃も復活した。スカイランドに行ったプリキュアたちは、ヒーローとしてパレードに参加することに……
伊藤睦美脚本、篠原花奈演出に、上田由希子と宮谷里沙の共同作画監督でメインスタッフが女性だけ。珍しいスタッフワークではあるが、女性スタッフを育てている今の東映ならばローテーションでたまに見かける。
プリキュアに変身するのはパレードのために天候を変えるためで、アクションがまったくないところは珍しい。戦いでひとつの課題をのりこえた次の回で戦闘がないのは第13話*1と同じだが、どこまで戦いが視聴者にもとめられているのかさぐっているのだろうか。
物語としては「プリンセス」エルの過去を王と王妃から聞き、血がつながらずとも家族になることがある事例として王家をもちだして、プリキュアたちが家族になったドラマにつなげる。
童話を引いたような少女向け作品に対して、家父長制を懐疑するなら王制にも疑問をもってほしいと思うことがあるが、今回の構図にかぎっては意味が感じられた。いずれ王制の限界に向きあう物語をシリーズで見たい気持ちは変わらないが*2。
よく似た食べ物のちいさな違いから異なる世界なのだと虹ヶ丘ましろが実感する日常描写が先にあったからこそ、世界をこえて家族になれる理想もよくわかる。
*1:hokke-ookami.hatenablog.com
*2:『ドキドキ!プリキュア』は君主制を廃したが、すぐれた個人の台頭を必要としたので、ちょっと英雄譚の色彩が濃すぎる。比べると、『ハピネスチャージプリキュア!』の「神」が、君主制の問題を意図せず描いていたような気がしなくもない。