虹ヶ丘の登校にハレワタールもついていく。しかし部外者としてハレワタールは立ち入りを禁じられ、しかたなく家で家事を手伝ったり、スカイランドへもどるためのアイテムを買いにいったり。そこで聖あげはと出会い……
第3話*1以来の守護このみ脚本。Bパートに入って、強い目的をもった移動の途中で本筋と関係ない障害がふりかかってきたり、カバトンという敵が意味不明な行動をとったりと、第3話に通じるシュールな雰囲気。
アニメの脚本家は基本的に会議の内容をまとめるだけで、視聴者にとって個性に感じられるところは座組の結果でしかないことも多いのだが、シリーズ構成とかかわりないディテール部分がここまで特徴的だと作風と感じられてくる。
第3話は全体としてフワフワとりとめがなく、まだ世界観のリアリティも不明確だったが、今回はAパートが異世界人との異文化衝突を通じてリアリティの基礎をかためているので、ぐっと見やすくなっていた。もちろん第3話があったので心の準備ができていたおかげでもあるが。
特に聖がハレワタールをメイクアップするくだりが良い。約十年前から児童へ化粧品を売りこむ販促をもとめられ四苦八苦してきたシリーズが、異世界から来て化粧文化を知らない少女に成人女性がメイクをほどこすことで、登場人物の設定年齢と反応が違和感なく整合する。ちょうど数日前、女性の権利獲得運動と化粧がむすびついていたという歴史ドキュメンタリが放映されたことも、文化の文脈を理解する助けになった。
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しかし物語としては、少女ふたりが距離をちぢめることにすべてをそそぎこんでいて、あいかわらず良くも悪くも百合アニメのようだった。異世界へもどるという目標は遠く、敵の目的ははっきりせず、ほとんど動きのない日々のなかでたがいのことを想うだけ。祖母や聖の介入も、敵の攻撃も、ふたりの距離を変えるためのフラグにとどまる。
それでいて、プリキュアへ変身する描写をふたりがからむように少し変更していたが、画面が五分割される演出でキュアプリズム側が静止して画面効果だけ足していることに違和感が残る。ふたりの変身を融合させることを予定していたなら、同じアニメーターに作画させるか、それが無理でも演出担当が違和感なくすりあわせをしてほしい。